禅に「的」という言葉があります。・・・・「てき」と読みますが、2000年の新語・流行語大賞のトップテンに選ばれた「私的には…」という使い方と意味が違います。
禅での「的」は本質を見極めると考えるのが最適です。「的」という文字は目的でなじみ深い文字ですね。「的」でイメージするのが弓道のまと。まるい「まと」のなかでも、中心の真ん中が一番の「まと」・・・なにごとも「中心」があります。自分にも中心があります。なにをイメージしますか?あなたそのもの?つまり本質。仕事、家庭生活、学問、コミュニケーション、すべてに「的」があります。本質でとらえると周辺にあることも理解できます。
あらゆるしわ寄せの受け皿となった流通サービス業界や中小企業の多くは、労務管理においてもっとも大きな衝撃を受けて来たのではないでしょうか。
人件費削減は、一過性の利益貢献はあったものの、それも限界に達していて、質と量の両面で縮小均衡のスパイラルに入り込んだところは、営業自体が成立しない危険領域にあります。
たとえば大手外食の中には、コンプライアンス(遵法精神)を唱える企業の表向きの顔とは裏腹に、店の人件費圧縮の指示は厳しく、店長がサービス残業、隠密出勤を繰り返し強いています。なぜ、こうした事態になったのでしょう。
アサーション権が無視されている職場に仕事の在り方そのものである「ホスピタリティ」は定着することはないと言いました。「ホスピタリティ」が実践されているところでは、顧客同様に従業員にも ホスピタリティ は行き届いています。結局のところ、人への接し方の問題であって、裏返せば離職率に反映されています。
売上、人件費、さらに時給、通勤時間、シフトの間題など、人が集まらない原因は考えらますが、情報が迅速に飛び交う世の中にあって、原因究明をあざ笑うかのように定着率も悪く、一人前になりかけてもすぐに辞めてしまう悩みも深刻さを増しています。
アサーション権を冒頭に掲げたのは、仕事は何のためにするのかという基本的なテーマを社内に正しく定着させるために他ありません。基本的なテーマとは企業活動の羅針盤です。羅針盤になるテーマは物事を決定する上での判断基準になります。基準が曖昧だと、都度フラフラして末端では、判断する上で支障をきたし、企業活動の最前線、真実の瞬間といわれる場面で混乱します。もっとも重要なのは会議室ではなく、真実の瞬間といわれる現場のいまこの瞬間なのです。どれほど高い理念や目的、希望が語られようと、真実の瞬間が乖離していてクレームだらけだとしたら意味はないのです。
「私たちは人間であり、安心安全な生活を営み、幸福になりたいと望んでいる。」聞かずとも、ほとんどの人はこの意見に賛同するでしょう。しかし、そのことを明文化しているでしょうか?あまりにも当たり前すぎて口にすることもなく、目標数値がとって代わり、いつしかあまりにも当たり前なことが判断基準になっていないというようなことはないでしょうか?
そのくせ「顧客満足」という言葉が横行している。「 私たちは人間であり、安心安全な生活を営み、幸福になりたい」と望んでいる。この言葉のなかには従業員だけでなく、お客様も含まれているのです。「ホスピタリティ」が実践されているところでは、顧客同様に従業員にも ホスピタリティ は行き届いているのは当然なのです。
ビジネスを間違えていないか、注意が必要です。
ビジネスを間違えるとは個人生活における人生を間違えるようなものですから、取り返しがつかない危険があり、仕事の質を高めることなどできません。現状を何とかやり繰りしている状態が続いている状態ですが、それはいつから続いているのか。間違いの起源は、その「いつ」にあり、四苦八苦のやりくりは損益分岐点の問題ではないのです。
たとえば次のことについて、具体的に打っていることがどれほど挙げられるか、チェックしてみてください。
・「理念→仕組み→作業」の流れは現場に落とし込んでいるか
・達成するべき数値目標と状態の目標は共有しているか
・ 働きやすい魅力的な職場環境といえるか、その工夫をしているか
・ 評価や処遇は公平でオープンを保っていて、周知されているか
・ やりがいを持たせる工夫をしているのか、
・ スキルやモチベーションを高める教育と仕掛けは実施しているのか
・ 社会的地位の向上を図っているか
ミドルマネジメントが、仕事の本文を間違えて、本来顧客に向いて行うはずの努力をせずに、内向きになって、コストカッターに転じてしまっていたら、「忙しくて」という理由のもとに、このような課題、つまり顧客満足の土台部分には手つかずになっていくでしょう。
いまごろになっての感がある「WAY」という概念が特別なことのように語られることが、見出しに踊り続ける形骸化したマネジメントの愚を伝えているのです。
「的」・・・・すべてに「的」があります。本質でとらえると周辺にあることも理解できます。「私たちは人間であり、安心安全な生活を営み、幸福になりたいと望んでいる。」これこそが「禅」と「マネジメント」を結びつける基本なのです。どうですか?「ZENプロジェクト」に挑戦してみませんか。
「的」・・・・すべてに「的」があります。本質でとらえると周辺にあることも理解できます。「私たちは人間であり、安心安全な生活を営み、幸福になりたいと望んでいる。」これこそが「禅」と「マネジメント」を結びつける基本なのです。どうですか?「ZENプロジェクト」に挑戦してみませんか。
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