2015年11月18日水曜日

柔軟心〜柔らかい心でPDCAを回す



柔軟心」(にゅうなんしん)とは、柔らかい心のこと。
文字の通りです。
固定観念にとらわれない自由な心があれば、広い視点で物事を見ることができ、今まで見落としていたことに気づくこともできます。スイッチチェンジができる心です。
自分の考えが正しいと思い込んだり、他人に自分の価値観を押し付けたり、逆に他人の意見に惑わされることもなく・・・。
「こんな考え方もあるんだ」と思えるしなやかな心、素直で広い心は、自他肯定を構えで、自分も他人も心地よく生きるための秘訣だといえます。マネジメントも同じです。
柔軟心〜柔らかい心でPDCAの回すとは、スイッチチェンジのできるマネジメントです。
PDCAのサイクルをどの程度で1回回すか?
目標によっても変わってきますが、最小の単位で回すのが成功のコツです。「単位」を決定づけるのが「マイルストーン」です。

会社なら年次決算があります。ほとんどは税務署への申告時期に合わせて年次、半期、月間というように設定していますが、小売業の場合では、自分は一番の中心を前年と比較しやすい月曜始まりの日曜終わりの週単位を推奨しています。日曜終わりは追い込みのかけやすい一番のかき入れどきだからです。

税務署の申告と営業ベースの単位は同じである必要がありません。どうせ正確な損益計算書は週単位では出せないので割り切ってしまいます、大事なことはいかにすれば収益を出しやすい仕組みにするかです。

年間53週あるので、PDCAのサイクルも最低53回あります。しかし求める結果を出すには最小単位がやりやすいので「一日単位」を基本にします。つまりマイルストーンを週間単位で組み、4週で1マイルだとしたら、32回のPDCAを回せます。

  • 1日単位のPDCAは1週間を達成するために、1日の目標を達成するように回す。
  • 週単位のPDCAは4週間を達成するために、1週間の目標を達成するように回す。
  • 4週間のPDCAは12週間を達成するために、4週間の目標を達成するように回す。
  • それぞれの単位で遅れが生じないように、単位ごとの計画を明確にして障害対策を行っておく


「単位ごとの計画を明確にして障害対策を行っておく」ことが達成の決め手です。PDCAのサイクルを回せばどうにかなるというのは、無制限に時間のある場合のことで、それではマネジメントになりません。限られた時間で達成するには、障害対策を含むPLANの精度の高さが決め手になります。だからマネジャーには「経験で培った見る目」が必要になります。もちろん優秀な人材もいますが、一般に下積みも含めて経験のない者がマネジャーをできないのは精度の高い障害対策を含むPLANが組めないからです。

1日単位のPDCAを回せない者が1週間やってもPDCが回せないのは、最初のPLANが正しくないからです。いかに実戦で学んでいくといってもマネジャー予備軍のことで、最初から達成できない者がマネジャーに就くとは漂流する船に乗るようなもので、チームワークができません。



最初のPLANが正しいかどうか、一週間のPLANを上位のマネジャーに報告し、説明し、是正を受ける場が必要です。





2015年10月26日月曜日

門を開けば福寿多し〜ネガティブな潜在能力をポジティブに変えるコーチングスキル



「門を開けば福寿多し」という禅語の意味は、読んで字の如くです。

個人でも問題を解決したい人は、門を叩きます。問題があっても問題と感じない人は門も叩かないので門は開かれません。コーチングはまさしくこの状態を言い表しています。

苦しい時ほど、あからさまにする。

ところが、苦しくてもあからさまにしないことが罷り通るとしたら、その責任はどこにあるのでしょう。もちろん個人にありますが、それ以上に会社の仕組みに問題があると考えるのが、「成長する会社」の考え方なのです。

コーチングとは、やる気を引き出す技術ですが、そのために相手の話をよく聞き理解することから始めます。ここでファシリテーターのスキルが発揮されます。相手が気付いていない潜在的能力を引き出し、相手を信頼し任せることで、目標達成に向けて動機付けていくコミュニケーションスキルです。

「潜在的能力」という言葉にはふたつの意味があります。
  • まだ使われていない未知の能力
  • 顕在化した能力を十分に発揮させないネガティブな能力

一般にビジネスシーンで使われる「潜在的能力」は「まだ使われていない未知の能力」をいうことが多いのですが、やる気を損なうのは「顕在化した能力を十分に発揮させないネガティブな能力」です。

この能力はとても巧妙で、風邪をひいたり病気になることで阻害することも少なくありません。人のせいにする。「できない条件を引っ張り出して無理だ」という。」「どうせできない。」といった言葉は、このネガティブな潜在能力です。

このようなネガティブな意識をできる限り減らし、「やってみよう」「きっと大丈夫」とポジティブな意欲に変えるのが、ファシリテーターの潜在能力開発なのです。

これは他者ができることではないので、本人の主体性に任すしかありません。
ネガティブなことを並べる人に、ポジティブな考えを伝えても、「そうは言っても」と言い出されると、もうそれ以上、どうにも進まないのです。
だから「こうあるべき」と教えずに、「我が社ではこう考えますが、あなたはどう考えますか?」と問いかけ、意見を掘り下げて、会社の在り方、価値観を示し、本人の意識改革に持っていくのです。

コーチングとは、「大切な人を目的地まで送り届ける」だと言いましたが、まさしくその通りなのです。そしてコーチングがマネジメントの核だというのも、その通りなのです。さらにコーチングに類似したものにカウンセリング、メンタリングがあります。コーチングが数値目標を重視しているのに対して、カウンセリング、メンタリングは心の健康維持に特化しています。これらを完全に切り離すことができれば進め方も容易になりますが、混沌とした状態であればあるほど仕事は進めにくくなります。

このような状態にならないためにも「採用」段階から戦略的に進めていく仕組みが必要です。
戦略的仕組みの中核となるのが、「在り方」「価値観」なのです。「在り方」「価値観」が明確でなく、普段、社内の会話でほとんど出ることがないとすれば、その段階で競争力低下を予言しているのと同じなのです。

なぜなら個人のネガティブな潜在能力が会社内になだれこんでくる危険があるからです。

上司が相手を理解しないまま、その人の強みに目を向けず、「あいつは駄目だ」と烙印を押すケースはどこにもあります。そしてその通りかもしれませんが、そこに至る以前に会社として、そんなことにならない「仕組み」を構築してマネジメントしているか、どうかが重要なのです。

していない場合には、個人のネガティブな潜在能力が会社内になだれこんでくることを覚悟して、その対策をしなければなりません。

それは「採用」から始まっていますが、そんなこともなく採用し続ける仕組みこそ反省する課題なのです。物事には原理原則」があります。それを無視していて、はなるものもならなくなってしまいます。


この時に役立つのがPAC交流(ストローク)です。お話したように、交流パターンが交叉するとコミュニケーションは必ずこじれます。ですので平行的なコミュニケーションができているか注意を払いながら、コミュニケーションを練習します。回数を重ねるほど後天的な能力として身につき習慣が自分のものになります。

2015年10月20日火曜日

大地黄金〜コーチングの真髄












大地黄金という漸悟があります。それがどこであっても、自分が置かれている場所、いまいるところで全知全能、精一杯尽くせば、やがてはその場所が黄金のように光輝いてくるという意味です。

コーチングは受ける側も施す側も「大地黄金」の典型的な事例で、この考えのないコーチングはコーチングになりません。

コーチングとは、「大切な人を目的地まで送り届ける」というのが本来の意味で、Coach (馬車)から派生した言葉です。

コーチングという言葉はスポーツの分野では昔から使われていましたが、ハーバード大学のマイルス・メイスが著書で使用したことから拡散しました。
「マネジメントの中心は人間であり、人間中心のマネジメントの中でコーチングは重要なスキルである」と使用したのです。

日本のプロ野球と大リーガーでも微妙にコーチの役割が違うように、コーチングの定義はさまざまで、アプローチの方法は違っても、その本分はコーチングする相手の能力とモチベーションを高めて、持てる能力を発揮できるようにサポートするコミュニケーションスキルであることに間違いはありません。

重要なことは、主体はコーチにあるのではなく、サポートを受ける本人にすべての答えがあることです。先に説明したようにファシリテーターが参加メンバーで構成されたチームをサポートするときに、指示したり、教えたりせずに、質問を積み重ねて、相手の考えを引きだして、能力を引き出していく手法に通じています。

さらに重要なポイントは唯一の答えを求めるわけでなく、答えは必ずしも一つではない点です。相手(個人またはチーム)の合意が答えになる点です。

それだけに、在り方、価値観が、全く違う相手を組織の在り方、価値観と違っていれば、ハードなプロセスを辿ることになるので、組織の在り方、さらに価値観を明確にしておかなければ、全くベクトルの合わない相手を育てるはめになります。

ですから現実の問題として、人を育てる前に、組織の在り方、さらに価値観を整えることが、コーチングを機能させる条件になるのです。この基本的な前提条件を無視してしまうと組織は成長しなくなるということです。もちろん、コーチングやファシリテーターを度外視して、旧態依然とした管理方法で成長させることも可能でしょうが、その方法が内包しているリスクはいつか必ず組織のリスクとなって露出してきます。特に未曾有の高齢化社会、結婚を求めず、子育ても求めない価値観の大転換を迎えた現在では、急速に負の循環となるでしょう。

こんな時代に、組織に身を寄せる者は、時に板挟みになることも少なくないでしょう。しかし、そんな時にこそ、威力を発揮するのが、マネジメンサイクルの真髄であるPDCAなのです。





指示命令で人を動かすのではなく、マネジメントの真髄、PDCAを使うことで、相手に主体性を持たせて自主的に考えて行動するように促すのです、つまりどのような組織でも求めている姿を現実にする手法を使うことで、どのようなマネジャーにもアプローチできるのです。PDCAは使えないという人はたくさんいます。その原因は、いくつもありますが、主体性を相手に持たせずに、叱咤激励する道具に使っているからです。

PDCAのP(PLAN)は、計画のことですが、その前提に目標が内包されています。ところが、まだまだ、この意味が理解できていない人がたくさんいることには驚かされるのが現実です。P(プラン)は目標だけの場合もあれば、計画だけの場合もあります。どちらが欠けてもP(プラン)にはなりません。目標数値だけあっても、どのような在り方で、どのような価値観で、どのように行動するのかが明確になっていなければ、動きようがないからです。これでは実行した後に来るCHECK(チエック)ができないので、問題があろうが、なかろうが、やりっぱなしになります。つまり人が成長しないということです。

人が成長しないので、指示命令が必要になりますが、これだけだと、ますます自主性も、自ら考えることもないので、管理者に成長することはありません。しかし組織が成長するには、拡大が不可欠なので、管理者が必要になります。ところが管理者にふさわしい能力を身につけないまま、管理者になるので、組織は機能停止に陥ります。これでは組織は拡大できなくなりますが、指示命令で動かしてきた組織は、その根本的な原因を把握できる能力を欠いています。もともと自主性も、自ら考えることの重要性を軽く見なしていたからです。

DO(実行)の後に来るCHECK(調査・分析)は、目標と現状のギャップ、すなわち問題とその原因を探ります。この作業は次のACTION(行動)を正すために不可欠な重要な条件ですが、P(計画)が曖昧で達成が容易にしないDO(実行)を繰り返しても、そもそものP(計画)が曖昧ということは、その段階であらゆる可能性を引き出すチャンスであるCHECK(調査・分析)も出来ないことを示唆しているので、次のACTION(行動)を正すことができないので、すでに答えはやる前に出ているのです。すでに結果が出ていることを、そのままやるというのは、「やる気がない」以外に解釈の使用がないのです。

このことは人生そのものに通じています。チャンスを引き出すには、チャンスを引き出せる仕組みを自分のなかに準備しましょう。PDCAです。PDCAは自らを大切な人として扱ってもらえるようにする貴重なツールなのです。


次回は、コーチングを機能させるストロークについて説明します。






2015年9月7日月曜日

一志不退〜価値前提の経営

一志不退(いっしふたい)とは、志を立てたら、決してそこを引かない意味です。その場、その場の一時の欲望や他人の意見に惑わされることなく、志を忘れずに進むことです。

志とは、お金儲けとか有名になりたいとか結果のことではなく、在り方(BE)のことです。凛とした在り方は、道を開きます。つまり希望のあることが困難な状況でも突破する力になるのです。

反対に志がない場合は希望は絶望に変わりやすく、絶望は、早々と道を閉じます。



「組織は戦略に従う」と言います。経営戦略があって人材のマネジメントが必要になります。
人材をマネジメントする気もなく、採用すればどうにかなるという時代ではありません。


仕事の仕方に本来のあり方が問われていると同時に仕事の仕方に大幅な変化が求められています。政府は女性の活用を声高に叫び、ワークライフバランスにも熱心です。
このような動きはますます、消費者、働く人の価値観を変えています。複雑化する消費者動向と併せて、かってない速度で変化が起こっていて、その変化に迅速に対応できない会社は、沈むしかない状況です。

自分たちが本当は何を売っているのか、それが分からないと、成長のチャンスを逃すだけでなく、培った財産も失ってしまいます。また誰が本当の得意先なのか。それも巧妙に変化しています。なぜでしょう?知らず知らずに仲介役が主たる業務になっているからです。巷に氾濫するポイントカードが示しているように「シェア(共有)」という概念がビジネスの根幹になっているからです。ここで言えることは重要なのはポイントカードではなく「シェア」だということです。

シェアすることなく、自前で仕組みを構築している会社は、極端に少なくなっていて、強力なブランドを打つ立てているのは、羨望のまなざしで見られている会社しかないといっても過言ではありません。

そこに共通しているのは、圧倒的な顧客の支持で、感情を揺るがす体験があるということです。売っているものがなんであれ、実際には「感動」を売っているのです。「価値前提の経営」に徹していて「売るためにサービスを良くしましょう」という概念を木っ端微塵に打ち砕き、遠く彼方に追いやっています。

さらに電子マネーの普及は激しく、迅速で複雑化しています。これへの対応も、人、物、金、情報の点で中小企業では困難な状況にあります。

「組織は戦略に従う」人も戦略に従います。採用も同じく戦略に従います。

戦略の中心に据えるのは、

「価値前提の経営」です。
価値前提とは、どのような組織であるべきかという価値感を明確にしたうえで経営を行うことです。

その一方に「事実前提jの経営があります。価値や目的を明確にせずに、今ここの出来事にその場しのぎで対応したり、その時々の都合で対応したりするご都合主義の経営を「事実前提の経営」といいます。

「事実前提の経営」のもとで、販促を打っても、その場しのぎになり、会社を支えてくれる中核となるユーザ、つまりファンを多く集めることはできません。洗練された価値観に親しむ機会が多く、すでに慣れて価値観が変わってしまっているからです。

この状況を克服するには、「価値前提の経営」に切り替えることを避けて通れません。そこで働く人のあり方を変えることが急務なのです。大変そうに思えても、この対策こそが、競争優位に立つ絶対条件なのです。

「事実前提の経営」から「価値前提の経営」へ切り替えたくても、スローガンでは脱却できません。脱却できないから、ここで買う理由が顧客に見当たらないので、どこで買っても同じ、安ければいいという状態に追いやっています。この事実に照らして「事実前提の経営」が行われる限り、「価値前提の経営」に切り替わることはありません。

標榜しても「価値前提の経営」に脱却できないもどかしさに直面することは必至です。しかし、過去のやり方では、人を集めることさえ年々難しくなり負の循環に陥ることは明白です。

ITデバイスを当たり前のように使う世代は情報を入手するのも上手です。「価値前提の経営」をしていないと見透かされると寄ってこなくなるのは必至です。

価値観に共感し、ベクトルを合わせて感情的にならずに自己啓発してくれる人材でなければ、すでに見えている世界を乗り切り成長することは困難です。
これは業種の責任ではありません。マネジメントの仕方が極端に大きな差になるのです。差が生じるのは顧客の支持の違いによるもので、「在り方」の違いで生じるのです。コストではありません、「在り方」の違いで生じるのです。その違いがコストパフォーマンスの違いになり、コストパフォーマンスの悪さが絶対的コストの違いになります。

コストパフォーマンスの違いは、目標への目配りから生じます。そのひとつが「採用」にあります。

採用はすべての始まりですが、どのような人を採用するのか目標もなく応募してきた人に曖昧な質問に終始してかき集めていたとしたら、「祝い、分かち合う」に至るプロセスはコストパフォーマンスの悪いものになりますが、「事実前提の経営」していては気づくことさえできなくなります。それでは競争優位性は失われてしまうのは明白です。このようなテツを踏まないようにするには目標を持った「人材のマネジメント」が必要なのです。

昔がどうであれ、いまはそういう時代です、そうでなければ人を育てることも、収益をあげることも、人を集めることもできなくなります。


「人材のマネジメント」という意識を明確に持つこと、つまり人材にたいして目標を持つということです。目標があれば、どのように人を育成、開発するか、評価制度も必要になります。自然、報酬のあり方も改善が必要になります。それを効率よくマネジメントするサポートセンターの存在も重要です。

2015年7月16日木曜日

且緩々〜自分を変えるための最初の関門

且緩々(しゃかんかん)


には、「落ち着きなさい。慌てず、焦らず、ゆっくりと」というような意味があります。
弟子が師匠に矢継ぎ早に質問するので、師匠がたしなめる意味で使われた言葉です。

少しでも早く良い結果をだしたいと焦るのは心情として理解できますが、物事を早く片付けてしまおうと、つい気持ちが先走っていたずらに空回りしていることがあります。

冷静に考えると焦る必要もない場合が少なくありません。変わりたい、変わりたいと気持ちだけが先走り、思うような結果が出ないと諦めているといようなことはありませんか?

そんなとき「且緩々」と呟いてみてください。まだ準備ができていないことに気がつけば、そのときがチャンスなのです。



【マイ・プロジェクトを始める前に】

誰にしても、自分を変える必要があっても、簡単にはできないのものです。

もし何らかの事情から、自分を変えたいと思ったときのために、自分を変えるのがなぜ難しいのか、どうすればいいのか、そのメカニズムを考えてみましょう。予め知っておくと役に立つと思います。

【自分を変えるための最初の関門】
 落ち着かない気分は、心地のよいものではありません。
心が乱れるのは自分の内側か自分の外側の世界に何か問題があるからです。

こういう場合には対策が必要ですが、人間にはできることとできないことがあります。

自分自身のことは自分にできても、自分の外側、つまり他者、状況などは自分にはできません。

変化を嫌う人は、他者、状況を変えようとします。また変わる必要が解っていても、Yes,But,If……..「その通り、しかし、もし」からなる構文、つまり「なるほど、その通りです。でも○○○○○なので、それは出来ないですね。もし、状況が変わればやりたいですが」というようにを使って否定します。変化を嫌うからです。

 それにしてもなぜ変わりたくないのでしょう?
人に頼ったり、弱さを見せると嫌な顔をされる環境で育ったことに原因があるのかも知れません。そのような人にとって最も都合がいいのは状況が変わってくれることです。状況をコントロールしようとします。しかし状況を変えることは誰にとっても無理な相談です。むしろ状況をコントロールしょうとするほど状態は悪くなるものです。

【PDCAの習慣こそ変化を怖れない体質】

状況のコントロールに熱心でいると、失敗はいつも恥であり恐怖でしかなく、解決の扉というもうひとつの側面であることに気がつきません。これではPDCAを使う機会を放棄しているのと同じです。

逆に<自分を変える>ことに集中していると、自然にPDCAを使わざるを得なくなります。行動した後に何が起こったかを見て、どこに間違いがあったか、どこを直せばいいのか、その結果を再度実行してみる。あきらめない限り失敗はなく、やがて成功にたどり着きます。

PDCAの習慣こそ変化を怖れない体質の第一歩です。

【引き裂かれた意識がストレスになる】

こうした考え方も状況を変えることしか頭にないと「そんなにうまくいくはずがない」と否定的になります。

いつも考えてばかりの習慣が身についていて行動しないから解らなくなってしまいます。いつも考えてばかりいるのは、弱さがバレルのが極端にイヤだからです。

人間は相反する思考あるいは感情を持っていると、引き裂かれた状態と同じで身動きできなくなります。

「何かがおかしい」と感じるとき、実際に「何かがおかしい」ものです。

その認識が変化を起こす最初の段階ですが、やがて本能的に次の段階に進み「問題など存在しない」という否認の段階に進んでしまうとそこで行き止りになります。

鈍い人はそこで止まってしまうものですが、敏感な人は「おかしい」「おかしくない」の相反する認識が交互に現れてストレスになります。

【潜在意識という危険】

自己否定感が強いと、不快感を手離したいので、第二段階の認識を意識しようとせず切り離そうとしますが、潜在意識に潜り込みストレスになってしまうのです。

潜在意識のほとんどは、顕在意識を妨害するものなのです。

 自分を変えるためには、第二段階の認識をすることです。そしてPDCAを回すのが良いのです。いまこの瞬間に集中するようにするといい。
もちろん大変ですが、<時間管理(タイムハック)>つまり集中する時間を正しく使えば集中の効果を得ることが可能になります。




 自分を変えるためのスタートの機会になるのは、安心感を保つことができる適切な対策を見つけることに限ります。それが最上の策です。ほとんどの人はそれまで、怖くて自分を変えることはできないものですが、簡単に発見できるものではありません。

自分に合った効果的な方法を発見することが必要なのです。
その発見は何度もPDCAを回してみないとできないものです。


変化を起こす上で避けて通れない必要なスキルなので、手脚のようになるまで習慣化すると宝物になります。

それでは自分を変える7つのステップをご案内していきましょう。


2015年6月18日木曜日

本来無一物/リーダーシップとは?


本来無一物


ほんらいむいちもつ

人間は本来、裸でなにひとつ持たずに生まれたことです。だから執着するものがないのが
本来の姿だという意味です。この禅語は、家族や生活を守るために職を失うわけにはいきませんが、もしそうなったとしたらそのとき考えればいいということを諭しています。失敗を恐れていたらなにもできない。挑戦する心が大事だというわけです。これはリーダーシップに通じる、そのものなのです。いろいろ道具があっても、挑戦する心がなければ役に立つことはありません。世の中に失敗はない。諦めたときが失敗なのです。本来無一物が自分の姿だと忘れずに思う存分、力を発揮してください。


そもそもマネジメントやマーケティングがあって起業することはありません。これらは目的達成を最適化するツールです。

リーダーシップは、目的を達成する力そのものです。

高い志を忘れない
情熱を忘れない
信頼を忘れない
プラス志向を忘れない
挑戦を忘れない
行動を忘れない
覚悟を忘れない

これらの態度から優れたマネジメントが生まれ、真摯なマーケティングが生まれます。

マネジメントはどんなに柔軟で優れたものでも、うまくいってると過大評価が起こるので
いつしか官僚的で、慣行化しやすい性質を持っているものですが、そうしないのはリーダーシップです。

つまり変化を厭わない力を持ったリーダーシップです。

常に最悪の状態を予測、想定して、準備をしていればそうはならないからです。



リーダーシップは、組織に芽生える惰性を絶ち、メンバーの行動のあり方が変容するようにモチベーションアップし、企業に新しい文化や習慣をもたらすエネルギーそのものなのです。それを習慣化する態度、行動が先に掲げたものです。

これらの態度、行動ができない場合、変革時ではリーダーシップ不足が起こります。すると推進力に欠け、難局を乗り切るパワーを手にすることはできなくなります。






2015年6月3日水曜日

諸行無常〜すべてを受け入れてPDCAを回す

諸行無常(しょぎょうむじょう)

諸行無常〜この世のありとあらゆるものは常に移ろいでいます。一瞬たりとも留まっていることはありません。私たちは変化のなかに変化とともに生きています。それを受け入れることができないのが人間というものです。すべてを受け入れるようになるには、素直に生きるしかありません。

坂道を登っていきます。道は曲がりくねっていても、いまここに集中していれば、曲がっているとは思いません。犬は与えられた環境を受けいれて、ひたすら登っていくだけですが、人間は曲がっている、下っている、上っているとアレコレ考えて、ツラい、厳しい、疲れると考えてしまいます。

PDCAとは、あれこれ策を用いるように思えますが、そう思うのもフォーカスの仕方であって、逆に変化とともに生きていると考えれば、変化させるのは自然なことではないでしょうか?ひらすら一本の道を道なりに黙々と歩いている犬のように思えばPDCAはごく自然な行為だと言えるのです。





PDCAは子どもでも使っています。それを大学も出て社会経験豊富な管理者が難しいというのはなぜでしょう。

やったりやらなかったり習慣がないのが問題なのです。PDCAは時系列でやらないと効果がありません。

管理者であれば忙しいのが当然です。あれもこれも課題も多岐に及ぶので習慣化するのが難しいだけです。

解決策は簡単です。PDCAを考えて報告する担当者を任命すればいいのです。
管理者育成と同時にPDCAを回す時間の両方が確保できるのはもちろん目標をシェアできます。
間違ったやり方をコツコツとやり続けないでください。見せかけのやる気が充満していると間違ったやり方をコツコツとやり続けていることが見えなくなります。

成功と失敗には、その違いをもたらす違いがあることを忘れず「違い」を実行することです。PDCAはそのゴールデンルールです。

PDCAを回しやすい単位があります。
業務内容によりますので一概に決めつけはできませんが、ほとんどの場合、現場では1週間を最重要な単位としますが、1日が達成できない状態で1週間は達成できるはずがないので、時間単位と1日に重きを置きます。可能な限りコンパクトにします。

1週間を最重要な目標としているのは、天候その他自分たちの手ではどうにもならない問題が生じるからです。日々の凸凹を1週間単位で調整するのです。過不足は小さいほど調整しやすいからです。

後方の支援チームも同じですが、1週間に重きを置きます。こちらもコンパクトなほどマネジメントしやすいのは言うまでもありません。注意すべきは、指示命令が強すぎると現場は指示待ち集団になるので、自律できるように
育てる配慮が必要です。

予測を立て、危機に注目しますが、
「このまま行くとどこに問題がでそうか」
「問題が起こるとどうなるか」
「起こる可能性は?」
「避けるにはどうすればいいのか」
といったネガティブな面に注目するように、PDCA分析シートで、現場に対策と準備させるようにします。

感情的に叱ることは避けましょう。大事なことは「自律型マネジメント」を築き「全員経営」に導くことです。

それにはプロセスに関心を持ってあげることが大切です。結果を見て褒めるのでは、結果さえ良ければ誰でも良いというメッセージを送ってしまいます。結果とは行動の結果なので、行動という名のプロセスに目を向け、結果が芳しくなくても行動(プロセス)が間違っていないのなら褒めてあげるようにします。行動(プロセス)を褒めてあげる行為はその個人に注目しているからできることなので、信頼関係の礎になります。



PDCAは人生哲学になっていくという意味がお分かりいただけると思います。


2015年5月30日土曜日

歩歩是道場〜PDCA分析&対策プランニングシートの使い方




歩歩是道場


「歩歩是道場(ほぼこれどうじょう)」という禅語があります。どこにいても道場、なにをしていても修行という意味です。どこにいても、なにをしていても、始まりがあり、プロセスがあり、結果があります。それが道場になり、修行になるのは、反省があるからです。
反省とは謝罪ではありません。結果に学ぶことです。結果に学ぶとは学びの入り口が結果であり、学んでいくとプロセスのなかに学びの宝庫があることに気づきます。



PDCA分析&対策プランニングシートの使い方

PDCAに苦慮している人に「PDCA分析&対策プランニングシート」は大変喜ばれます。PDCAを気にしていない人に見せても猫に小判の表情なのは残念です。PDCAを気にしていない人とは「やる気がある」と言葉にしても実際には「やる気のない人」です。「やる気のない人」とは、やりたい気持ちはあっても行動がついていかない人という意味です。

つまりP(Plan)はあるけど、D(Do)→C(Check)→A(Action) をしない人です。P(Plan)は「やりたい」という絵に描いた餅ではなく、食べられる餅の作り方を具体的にしたものです。食べられる餅の作り方を具体的にしたものが「PDCA分析&対策プランニングシート」です。

だから本気で食べようとしている人には「PDCA分析&対策プランニングシート」には喜ばれます。このシート一枚を説明もなく見せただけで、請求もしていないのに100万円を「安いものです」と言って支払ってくださった方もいました。見ただけですんなり理解ができたのは日頃から考えていらっしゃったことが腑に落ちたからです。


PDCA がうまく回せないのは、「PDCA分析&対策プランニングシート」に挙げた点がP(Plan)に織り込まれていないからです。つまりP(Plan)ができないのに、D(Do)→C(Check)→A(Action) ができるはずがないからです。良いP(Plan)を策定するにはキャリアが必要と言われるのはこのためです。ですから読み書きができて素直で謙虚であれば誰でも優れた計画策定ができて、優れた結果が出せます。

「P(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action) は難しい」という人は、P(Plan)を作るコツが分かっていない人です。

P(Plan)を作るコツがここにご用意している「PDCA分析&対策プランニングシート」です。計画するのも、分析するのも、対策するのも、この一枚でできます。

精度の高いP(Plan)が作れないのも、PDCA がうまく回せないのも、対象課題だけが、P(Plan)になっているからです。
P(Plan)には、「PDCA分析&対策プランニングシート」にある対象課題以外のことが織り込まれていないとP(Plan)にはならないのです。

もっともひどい、P(Plan)の例は対象課題だけが分かっていて、あとは「死に物狂いでがんばります。エイ・エイ・オー!」と感情的に気合いを入れているケースです。このようなことを未だに平気でやっているマネジャーがいます。

このタイプの人は成長しません。いくら繰り返しても反省が織り込まれないからです。反省のことが、C(Check)→A(Action)なのです。

反省とは、謝罪することではありません。反省とは結果から学ぶことです。C(Check)→A(Action)のことが結果から学ぶことです。結果は終わったことなので「どう仕様もない」ことですが、P(Plan=計画)は結果から反省をして策定した「仕様書」なのです。「どう仕様もある」ことに変わったのです。

考えてみてください。毎日の小さな目標が達成できない人が大きなプロジェクトの計画が策定できると思いますか?
毎日の小さな目標を達成するには、精度の高い「PDCA分析&対策プランニングシート」がつまり効果的なP(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action) が毎日できなければ無理なのです。

毎日「対象課題」だけがあって、以外のことは気にしていない計画だけがあり反省がない日々を過ごしている人。あるいは気にしても曖昧または感情的という人では、何度失敗を繰り返しても失敗を成功の母にすることはできません。やる気があっても素直で謙虚な人でなければPDCA をうまく回せないのです。やる気とは素直で謙虚であることなのです。

失敗だけではありません。うまくいったときの結果にも学ぶようにします。運だけでうまくいった場合もあります。それを実力と思わないようにするには、結果にかかわらず謙虚に向き合う習慣が必要です。いずれにしても「結果から学ぶ」習慣がとっても大切なのです。

ところが結果から学べない人がいます。結果を受け入れられない人です。運が良くてうまくいっただけなのに、自分の力のせいだと解釈して有頂天になり、悪い結果の場合には、他人のせい、環境のせい、状況のせいにして不機嫌になる感情的な人たちです。この種の人は結果から学べない主体的でない人です。感情に支配されているので結果(現実)から学べないのです。

現実を等身大でみることを怖がっている人です。自分のせいだと考えると怖くなるので現実が見られない人です。このような個人的な問題を仕事の場に持ち込むことはセオリー違反です。しかしこの種の問題も「PDCA分析&対策プランニングシート」は解決します。P(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action)には自分を育てなおす力があるからです。

すべてのチャレンジのマネジメントがPDCAです。P(Plan)→D(Do)→C(Check)→A(Action)は毎日繰り返されます。つまり経験を通して「自分の哲学」「自分の在り方」「自分の人生」を創ってくれるのです。
なぜうまくいったのか?なぜうまくいかなかったのか?の両方を常に分析、対策する習慣が未来の自分、未来の会社を創っているのです。


PDCA分析&対策プランニングシート


対象課題
何をいつまでにどうしたいのか

問題領域
どこが危険なのか

予想される問題
問題領域にどんな問題が起こりそうか
発生確率はどの程度か

問題発生による影響
どんな影響があるのか
影響はどの程度か

原因の想定
何故、そんな問題が起きるのか

予防対策
問題が起こらないようにするにはどうすればよいのか

問題発生時の対策
もし、問題発生時はどうしたらいいのか
影響を最小限にする対策は考えられるか

最終実施計画の策定
予防対策と発生時対策をスケジュールのなかにどう織り込むのか

PDCA分析&対策プランニングシート ここをクリック