2013年12月13日金曜日

「お客さま」になる3つのステップ



ビジネスでの成果は人との関係性の結果なので、まず人と出会うことが最初のステップです。

お客さまの行動にはご存知のように<3つのステップ>があります。

STEP.1 見込客
STEP.2 新規客
STEP.3 固定客(既存客)

3つのステップの内、あなたが一番力を入れているのはどこですか?

自分の体験でお話すると、一番、力を入れて、行動してきたのは「見込客」づくりです。毎日の必須業務として相当な時間を意識的に投入しました。

見込客は、まだ取引がないので、利益にならないので見落とされがちです。

一方、目の前に現れる「固定客」「新規客」は重視される傾向にあり、それはそれで間違いではありませんが、「固定客」は必ず減っていくものなので、埋め合わせする新規客が必要になります。求める成果にふさわしい数と質の新規客を集めるには、相応の見込客が必要です。見込み客がなくなれば会社の存在は厳しくなります。

見込客は、どのようにすれば作れるかを考えてみてください。見込客は勝手に湧いてきません。だから見込客にかかる費用は、「新規客獲得コスト」に含まれます。

繁盛するには、計算式があります。

(客単価-新規客獲得コスト-原価)×客数=利益

買う人、売る人、両者をWIN-WINにするには、この数式の効率化にかかっていますが利益をアップする、コストを引き下げるキーワードはこの数式に隠れている「見込客」なのです。

「見込客」「新規客」「固定客(既存客)」は三位一体の関係です。見込客を作るには、固定客がたくさんいるほど有利です。固定客がたくさんいるとは、たくさんの人が支持してくれているからです。たくさんの人が支持してくれていると、まだ取引していない人も支持する声を聞いて、見込客も増えますので、その中から新規客になってくれる人も増えます。

そこで努力の仕方という側面から見ると、「固定客(既存客)」に持てる力のすべてを投入せざるを得なくサービス力が重要になります。

サービス力とは、次の5つです。
  • 必要なものがあること
  • 安心・安全であること
  • 買いやすく、感じがいい 
  • 気持ちいいこと
  • コストパフォーマンスが高いこと
これは「ホールプロダクト」に置き換えて表現することもできます。
  • コアプロダクト(商品そのもの)
  • 期待プロダクト(付加価値)
  • 拡張プロダクト(買いやすく、気持ちがいい)
  • 理想プロダクト(満足していてこれ以上期待するものがないレベル)

微妙に語り口は違っても、4P ,4Cで語られる「マーケティングミックス」でも結局は同じことを言っています。
  • Product(製品)
  • Price(価格、割引等)
  • Promotion(プロモーション)
  • Place(流通、立地等)
  • Commodity(商品)
  • Cost(コスト)
  • Communication(コミュニケーション)
  • Channel(流通)

結局はみんな「これしかない」こと、つまり同じこと、究極のサービス力のことを言ってます。究極のサービス力とは見込客を集められるサービス力です。

これを日々の商売、現場レベルで言うと「見込客を集められるサービス力」が一番大事になります。そこで「見込客さえ集めたらいい」と馬鹿な行動に至らないように、三位一体で「究極のサービス力」をアップして行く重要を説いているのです。

見込客は作るものなのであって、「固定客(既存客)」を大切にしていたら自然に増えるものではありません。
胸に手を当てて考えてください。見込客を意識して具体的にどのようなアプローチを継続していますか?

そんな時間も費用もない?だからこそ口コミがもっとも簡単なのです。コストパフォーマンスを高めるためにも、固定客に持てる力のすべてを投入することが重要なのですが、意気込み的には「見込客」には持てる力のすべてを超える力を投入することになるのです。

その上で、見込客集めを徹底的に取り組むことが必要なのです。

告知活動には費用がかかります。その費用を「新規客獲得コスト」に含ませていることが企業存続の点で重要になります。ところが価格競争に巻き込まれたところは、このコストの圧縮を最初にするケースが目立ちます。その一方でサービス力を軽視して行き止まりになります。
コストの圧縮を迫られると固定客へのサービス力を口コミになるレベルまで引き上げる必要があるのです。理屈ではなくやるしかないのです。

日常的に「三位一体の関係」を実際に行動していると、自然に「固定客(既存客)」を大切にしたいと思うようになります。
新規客がお越しなると、囲い込みの努力が抜けるようなこともなくなります。「見込客」を作る努力の大変さを身にしみて記憶しているからです。

2013年12月10日火曜日

把手共行/サービスの条件


サービスの条件

お客さまにとっても、売る側の人にとっても、自分の存在価値を高めてくれるのが、サービスの在り方、サービスの条件なのです。つまり競争に参加する条件こそが自分の存在価値そのものなのです。

サービス競争と言うと、身を削って奉仕するような錯覚を感じるような人が未だにたくさんいます。しかし自分が人とどう向き合うのかは、自分が人としてどうありたいのかということであって、強要されたり、強制されたりするものではないのです。

人としてこうありたい、このようになっていけたらという目標やあこがれのない人にとっては、サービスとは余計なことなのでしょう。つまりサービスを奉仕だと思う人とは、野球に興味がない人が、儲けることができるからと言ってプロ野球界に就職するような、ミスマッチが元々の間違いなのです。

(存在価値を感じることができる)必要または欲しいものがある
(存在価値を感じることができる)きちんとした完全な商品(あるいは役務)がある
(存在価値を感じることができる)買いやすさがある
(存在価値を感じることができる)気持ちよさがある
(存在価値を感じることができる)コストパフォーマンスの高さ


サービスの条件とはビジネスの基本となる条件であり、儲けることができる仕組みの基本です。言うまでもなく儲かるのはお客さまの共感があるからです。お客さまの心と同期していないとやってるつもりで空回りします。

禅に「把手共行(はしゅきょうこう)」という言葉があります。自らの清い心と手を取り合って生きて行くという意味です。苦しいときも悲しいときも分かち合う友人を作るということです。互いの気持ちを伝え合い理解しあえるには時間が必要です。

「笑っていいとも」というテレビ番組は人々の心の在り方に変化を与えたモンスター番組でした。「あいつ暗い」とか「明るいとか」を気楽に言うようになり、友達の概念にも少なからず影響を与え、友達は数の問題になりました。でも本当は質こそ大事です。心から信頼できることが大切です。ですから時間がかかるものなのです。心を開いてつきあうことが大切です。それこそがサービスの条件の基礎なのです。心を開いて見せられないようなものならサービスの形にさえならなくて当たり前なのです。


こんなお弁当を作ってあげる心がサービスの正体です。↓






2013年12月9日月曜日

繋がり方を行動段階で間違えない



東北の悲劇によって多くの人々に絆が大事だと再認識させました。絆は人間だけでなく物事にも絆があります。結果はプロセス、原因と繋がっています。

結果さえよければプロセスはどうでもいいのかと問えば、そんなことはないと返ってくるでしょう。しかし本当にそんなことはないと考えているのでしょうか、それを行動にしているでしょうか?結果を出すためには手段を選ばない。そんなやり方がうまくいくとはどうしても思えないのです。

「こんなものでいいだろう」は「買ってくれなくていい」と同じ意味。

「人の存在価値」を感じてもらえることを念頭に置いているので、「こんなものでいいだろう」と適当に処理された商品やサービスに出会うと、お客さまは気分が沈みます。
「こんなものでいいだろう」は「来なくていい」「買ってもらわなくていい」と同じ意味なのです。

「来なくていい」「買ってもらわなくていい」という気持ちで働いている人は、ほとんどいないほど少ないと思います。ところが、そんなつもりはなくても、「こんなものでいいだろう」は蔓延しています。
なぜでしょう?日頃のくちぐせや気分が知らず知らずに態度に出ているのです。

モノが溢れた社会で、ビジネスを始めるとき、商品を持っているだけでは成功しません。存在価値を充足するサービスが不十分だと、人は集まってきません。同時に従業員にも存在価値が感じられるようでないと働く人も集まってきません。

「人の存在価値をいかに高めるか」というテーマをクリアした上で、「人を大事にする仕事の仕組み、販売の仕組み」がないと成功しないのです。

どんな時代でも、世界のどこでも、ビジネスを展開するには、売る装置、買う装置、さらに売る人と買う人が必要です。人材(売る人と買う人)を集めて価値ある存在にするのが成功の条件です。


両方がそれぞれに存在価値を感じるようであれば、人は集まってきます。つまり舞台が出来て、役者もそろったという状態です。
そこが始まりですが、いつの間にか始まらない場に変わってしまっているのに気がつかず毎日当たり前のように始めていないか気をつけたいものです。

「つながり」つまり「共有」は、価値観で実現したい。

あなたと私、共に「幸せ」になりましょうね。。。。。そう思える価値観を共有した先に、共に栄える世界が広がるのではないでしょうか?リピートとは単なる仕掛けではなく、お互いに尊重しあえるつながりがあるところに起こります。



2013年12月8日日曜日

露 / むきだしの仕事術



禅に「露」という言葉があります。

寝食を共にして自分をむき出しにして隠すことが何もないのが仲の良い家族です。

企業では「ガラス張りの経営」と言います。しかし心隠して数値をガラス張りにしただけでは「ガラス張り」にはなりません。

当事者としては、心隠すのは円滑なコミュニケーションをするためだと思い込んでいますが、
でもそれは言い方を変えると壁を作ることで、ストレスが生じます。このストレスは本来の仕事とは関係のない負担です。

仕事に集中できない環境を作っていることに他ならないのです。「心技体」と言いますが、これがひとつになってこそ「フロー状態」が作れます。

マネジメントする立場にある人はマネジメントできるように自分をむき出しにして働ける環境を作ることが大事なのです。


ビジネスは技術です。しかし間違った使い方をすると人を傷つけることになります。

そこで、心が羅針盤になります。しかし心だけではビジネスは失敗します。

ビジネスには歴史があり、先人たちが遺してくれた成功と失敗があります。心と技術が正しく使われてこそ、ビジネスは成功し、成長します。それは難しいことではなく、すでに答えがはっきりと出ていることを正しく使えばいいことです。


人は完全ではないので、不足があります。正しく使えるように、なにが正しいのかを知

り、必要なスキルの不足は補う。不必要なスキルは磨く必要がない。つまりなにが必要
でなにが不必要なのかを明確にしてスキルの組み替えをする。それには「必要なスキル
の見える化」が必要になります。

では、順を追って説明していきます。

1.サービスの条件

人は誰でも価値ある存在だと思いたいものです。
そのために生きていると言っても過言ではありません。
だから大事にされないと元気がなくなります。

すべての消費は、自分の存在価値を感じるために起こっているといって過言ではありま
せん。モノもサービスも、存在価値を感じさせてくれるものには重きを置きます。
生きるための生活必需品であっても同じです。

有名なマズローの欲求5 段階説を参考にするとよく分かると思います。
ビジネスは、「人の存在価値」を抜きにしては語れません。

お金があってもモノがない環境であれば、不便ではあっても、心が痛むことはありませ
ん。しかし、生活に必要なものがあり、情報が届いている環境で、手にすることができない状態では、自分には存在価値がないように感じます。

日本の高度成長時代、1955~73年というのは、モノを手にすることで自分の存在

価値を強く感じた時代です。買うモチベーション、売るモチベーションがひとつになっ
て、国中がモチベーションの高かった時代です。モノが行き渡ると「役務(サービス)」を購買することにシフトしましたが、自分が必要とする「役務」が曖昧になってくると、働くモチベーションも経済も失速が始まりました。

心の時代と言われはじめ、いまも続いています。

人は誰でも価値ある存在だと思いたい者であることに永遠のテーマなのです。

ですから、私たちは商売をするとき、特に小売業のようにエンドユーザと接するときには、心に留めておきたいことがあります。

モノはただモノではなく、お金と交換したらいいという考えは禁物なのです。サービスがいいを越えて「いつも人の存在価値」と向き合っていることを忘れてはいけないのです。