2012年10月11日木曜日

洗心/目標管理




 洗心(せんしん)とは、その文字の通り、心を洗うこと。
 私たちは美しいもの、たとえば爽やかな色彩の景観に触れると、心が洗われるようだと表現します。人は感動によって心の汚れを洗い流すことができます。

私たちは日々の活動で、埃まみれにもなり汚れもします。放置しておくと汚れはこびりつきます。

 では心を洗うにはどうすればいいでしょうか?ビジネスの現場では目標管理こそ洗心そのものなのです。目標管理は、一瞬一瞬の積み重ねです。ひとつの一瞬は次の一瞬につながっています。PLAN→DO→CHECK→ACTIONのプロセスが回転しています。反省こそ洗心ではないでしょうか。




目標管理

目標管理は因果関係が正しく機能することで成功します。

ここでは目標管理を説明するために、
 ・リーダー
 ・チームワーク
 ・成果プロセス主義
 ・職務等級基準書
以上についても簡単に説明します。

 目標管理とは、ついた汚れはすぐに洗い流す。いまついた汚れは、荒い流して、二度とつかないようにする。いつも曇りのないまなざしで目標に励む人と状態を観察し、励ましを送り続けます。

 「目標管理」はよく使う言葉ですが、使うだけにその意味には注意が必要です。目標管理のことを、「目標を達成するために管理すること」と解釈している方が多いようです。しかし、それは目標管理の一部にすぎず、それだけでは不十分です。目標管理の意味は、「自分で自分の目標を決めて自分自身で目標達成ができるように自分を管理する」技術のことをいいます。また、この技術の獲得が教育の出発点で、ゴールといえます。


 この考え方は子育てと同じです。つまりリーダーとは、自分で自分の目標を決めて自分自身で目標達成ができるようにPLAN~DO~CHECK~ACTIONのプロセスのすべてについて、自分で管理ができる技術を身につけた人のことであって、スペシャリストの必須条件です。

 通常、目標は本社あるいは本部から通達されるのが一般的ですが、目標は属する組織の目標と一致していることはいうまでもありません。

 リーダーでない人とは、目標のPLAN~DO~CHECK~ACTIONについて自己統制の能力が不十分な人のことです。ですから上司が必要になるわけですが、上司のもとでこの目標管理のスキルを身につけるようにします。

 目標管理は組織の全員ひとりひとりに方向性を示し、ひとりひとりからモチベーションを引き出し高め、自主性な行動をとるように背中を押すもので、その成果を組織の利益に変換するのが到達点です。マネジメントとはその技術のことで、その技術を身につけた人がマネジャーなのです。

 何気なく使っているチームワークにも、正しい理解が必要です。

  組織を構成する人全員ひとりひとりが、それぞれ自分の定めた目標を、他者に頼らずに、自分で達成ができる状態がチームワークのあるべき姿です。ほとんどの人は仕事の意味を考え、目的意識を持っているか、持とうとしているものです。
 
誰かの役に立つことで共同体の一員である自覚を求めています。個人で目標達成することもよろこびですが、一方でチームメンバーと苦楽をともにすることを望みます。

 つまりチームワークとはボトムアップの産物といえます。ですから健全なチームワークは、個人の力の総和以上の力を発揮します。同時に個人の力量の限界を超える上でも有効で、個人の成長を助けます。

 教育の課題は、自立すること、スペシャリストになることで、健全なチームワークには欠かせない要因です。健全なチームワークは健全な個人の力から生まれ、健全な個人を維持する役割を担います。

 チームリーダーは数値目標だけを達成すればいいということではなく、人を育てる任務を受け持っています。マネジメントとはその作業です。

 次に、目標管理には2つの側面があることに注目してください。

 ひとつはトップダウンの数値目標です。もうひとつは価値観を統合した上での数値目標です。ボトムアップの申告型数値目標がありますが、これは現実的ではないでしょう。

 成長をめざす企業にとって効果的なモデルは価値観を統合した上での数値目標です。原則は会社の価値観に共感できる人を採用することですが、いくら厳選してもくい違いは生じるものです。価値観の統合という作業は対話なしでは実現できませんので、リーダーにはひとりひとりと対話できるスキルが必要になります。

 対話できるスキルとは、相手が言いたいことを聴く能力、自分の考えを話す能力です。それには語彙が豊富に使えることです。しかし、それ以上に必要なことがあります。原理原則に基づいた客観的な判断が行えて的確に伝えられることです。
原理原則とは多くの事例に潜んでいる共通点です。

 一般的に「経験がものを言う」とか言いますが、個人の経験だけでは井の中の蛙になります。経験とは、自分の経験も含めて多くの事例に潜んでいる共通点で検証した原理原則を理解して、言葉にして伝えられるスキルです。自分の意見に偏らず、客観的で適切な判断ができるのも、対話には欠かせないスキルがあるからです。

 また目標設定についても同じです。対話するだけでなくリーダーと部下との役割分担も重要です。自立心を育むには本人任せなければなりません。しかし部下であることは、すでに能力不足を認識しているということですから、任せられないのが前提条件です。

 この状態は、任せる人にも、任せられる当人にもプレッシャーになります。お互いにモチベーションが下がる要因にもなりますが、自立心を育むには避けては通れません。そこで任せる人には、どこまで任せていいのか、その任せ方はどうしたらいいのか、任せて任せないスキルが必要になります。モチベーションを高める上でも欠かせないスキルです。

 先に達成の可能性は60%がバランス的に良いと説明しましたが、可能性はリーダーの関わり方で60%にも30%にも変化します。部下の能力だけで判断するわけにはいきません。リーダーが自分の行動を抜きにして、「彼の能力では無理だな」と判断していたら部下はいつまでたっても自立できません。つまり目標管理をリーダーが放棄して評論家になっているわけです。目標管理の第一人者であるべき人が評論家であるなら企業は成長しないのはいうまでもありません。

 成果プロセス主義では、自分で自分の目標を決めて、自分自身で目標達成ができるように自分を管理する目標管理スキルが個人に問われます。個人のスキルアップを目標達成可能レベルにまで引き上げることを条件にします。個人にはハードな側面もありますが、自立のプロセスを評価するだけでなく、プロセスの共有によって必要なサポートもするわけです。

 そこで大きな役割を果たすのが、自立のプロセス共有と評価をする「職務等級基準書」です。職務等級基準書については別途ご説明します。


0 件のコメント:

コメントを投稿