2013年1月31日木曜日

チームワークの本質は数値責任制


チェーンストア経営システムはチームワークで仕事を進めます。チームワークとは役割分担のことで、大きく分けてスペシャリストとワーカーに分かれます。

スペシャリストとは、専門職という解釈があるかも知れませんが、正しくは分業システムに於ける数値責任担当者の意味です。


スペシャリストに対してスペシャリストでない人をワーカーと呼ぶますがワーカーも分業
者です。しかし、それは作業の分業者のことで、職務上の分業者はスペシャリストだけです。つまり職務について責任を負う人がスペシャリスト、作業についての義務を負う人がワーカーであって責任と義務の範囲が全く違うのです。

分かりやすく説明すると、たとえば外食チェーン店で、売り上げや収益という数値に対する責任を負うのが店長であり、顧客に食事を提供する作業の義務を果たすのがワーカーであるウエイター、ウェイトレスというわけです。ワーカーとは一般の従業者というだけの意味であって、決して蔑称ではないので誤解しないようにしてください。

さてこの数値に対する責任の負い方が、数値責任制です。数値とは、経営効率上の目標の数字のことです。 スペシャリストが実際に人事管理上任命される場合は、職位でポジションに就きます。ストア・マネジャーとか、担当マーチャンダイザーとかがその実例です。

そこで問題になるのはこの職位、つまりポジションをつくる目的、すなわち職責です。これまでのような(昭和的な)年功序列方式だと、ある人物を待遇するために職位ができるのが通例のようです。したがって職責は、年功への報奨としての待遇になってしまいます。

しかしこれは随分おかしな話で、これだと職責は名誉職になってしまいます。これに対して本来のチェーンストア経営システムでは、特定の経営効率数値について責任をもたせるために職位がつくられるのです。つまり順番が逆なのであって、数値責任を負うために職位があるのです。

さらに、このシステムでは、経営効率についてあるべき形がまずプランニングされているということ。二つめに、スペシャリストの能力を持った人々が多数出揃ってこないとうまくいかない、ということです。つまり数値責任制の本質は、プランニングにあります。
そこでチェーンの組織対策の決め手は、数値責任を負うことのできるスペシャリストを多数育成確保することが正否を分ける重大な関心事になるというわけです。企業が成長するためには、一過性の営業成績よりもこちらのほうが大事であることは明白なのです。

なぜチェーンストア志向企業が、マン・パワーの育成と科学的な思考を何よりも重大視する理由が、ここにあります。そしてもうひとつの重大な課題がチームワーク(分業)が前提ということです。





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