2013年1月28日月曜日

自戒から始まる幸福な成功への道のり


成長志向の企業に職場を見つけた若い人々は、まことに好運です。積極的な人生と能力の向上を願う人間にとっては、この上ないチャンスに満ちた職場環境なのです。 しかしながら日本の企業、とくに商業の世界では、幹部といわれる人々には次のような、共通の欠陥があります。現在はマンパワーの準備期だと楽観的に捉え直すと、仕方がないですんでしまいますが、幹部を自認する人々は、その未熟さを自戒して弱点の克服に力を注ぐことが欠かせません。

①問題意識を身につける
会社が何をめざして努力を続けているのか、現在の重点政策課題は何かという軌道を理解し、その軌道からそれつつある事象を問題点として発見することができるようになる。すなわち、経営政策について認識がないために問題点がわからず、 解決策も間違った方向に行ってしまう傾向があるので、こういうことのないようにすることが大切です。

②計数知識を強くする
ビジネスは計数に基づくことはだれでも知っているが、ビジネスで一般に使う経営計数は、経営効率と呼ばれる算術です。品質管理や市場調査の際に若干統計数学を使うことがあってもまれであり、足し算と引き算と掛け算と割り算、しかも携帯用電子計算機のボタンを押せば計算はできるのです。

③報酬観念を正しく身につける
月給や手当ては、職場に存在したことへの対価としか思っていない。どのような仕事をいかにしとげたかは、報酬とは無関係だと思い込んでいるが大きな間違いなのです。どのような仕事をいかにしとげたかで報酬は決まっていると認識できるようになるには、そのプロセスの因果関係を知り理解が出来るようになることが欠かせません。

④基本的な技術と技能の不足を認識して克服する
現場にいること、そこで学ぶ作業を軽視、正確には蔑視しているから、熟練どころか完全に実行できる作業は数種類にすぎない。だから、作業の段取りやプランニングや指導は不可能になります。スローガンを口先で言うだけになってしまい改善も改革もできない。ところがスローガンが口先になる理由さえ分からず、その原因を他に求めます。スローガンが口先だけになるのは正しい技術を身につけていると思い込んでいるからなのです。その最大の原因は管理者としての在り方が間違っているからですが、これについても問題意識が欠如しているのです。

⑤動機主義をやめる
ビジネスは結果で語られるものであり、特に成長志向の組織では成果(あらかじめ決められた目標に到達すること)のみ評価されるものですが、情緒的企業では「いかに熱心に」あるいは「まじめに」行動したかどうかという動機だけで、賞賛あるいは叱責される傾向がある。「サービス残業」という言葉がありますが、これまで日本人は労働時間が長い
ことが美徳とされてきて、それを制限しなければならないという考え方が弱かったことも原因しています。これについて大いに反省をする組織体は少なくありませんが、会社側が求めているという前提で情緒的な動機をアピールすることを続けて成果から遠い問題で評価させようとする傾向が未だに続いています。

⑥管理職意識を改革する
通勤を唯一のライフ・スタイルにしたがり、大過のないことをモットーとして、職名ないし社内の身分呼称という肩書に執着する。とにかく、戒名のように漢字、おまじないのようなカタカナで表現された、もっともらしい肩書が社会的地位を示すものと思い込んでいる。肩書をはずすと落胆し、退社までしてしまうことさえ少なくないのです。しかし本来はチームワークの都合上で頻繁に変わる性質のもので、一喜一憂するような性質のものでないのが正しく、これを社会的地位と受け止めていたならチームワークできなくなります。

これらは当の本人さえ否定している悪しき傾向ですが、その一方で未だに蔓延している傾向です。これらは無邪気な過ちとして処理される傾向がありますが、実際にはチェーンストアを志向する企業にとって致命的な欠点になり前途を遮断するのです。

これらを全部まとめて清算する起点が、価値前提の経営と成果主義の採用です。つまりこのような欠陥は企業の方針と表裏一体の結果なのです。管理者であるなら自ら殻を破りいままではそうだったが、これからは自ら率先して価値前提の経営と成果主義をどん欲に採用することが自戒であると心して臨むべきなのです。



0 件のコメント:

コメントを投稿