2013年1月28日月曜日
成果プロセス主義と価値前提の経営で仕組みを作る
成果主義と結果主義の違い
成果主義は経営の評価尺度のひとつです。
成果主義の是非には意見が分かれますが、その原因は成果主義と業績主義(実質は結果主義)が混同されている点にあります。
その区別をする意味で、ここでは成果主義を「成果プロセス主義」としています。
目標に対する結果の多い少ないではなく、目標に到達したか、しなかったで、評価することを「成果主義」といいます。
「達成率」という概念は、結果主義のことであり、成果主義とは異質なものです。成果プロセス主義では達成したか、しなかったのかが問われます。
成果プロセス主義に対応できるエキスパートが育成されるまでの期間のみ、過渡期の対策として、結果主義が採用されるのは仕方がないにしても、会社挙げて結果主義を採用するのは、経営での成長を阻害する要因になることを心しておきましょう。
結果主義を採ってしまうと、将棋倒し的に健全な経営システムの崩壊を引き起こします。
システムとは、因果関係で構築されている自動的に形成される仕組みだからです。
いい仕組みを作るには自動的にいい仕組みになるようにいい条件、つまり因果関係の整備が揃っていなければなりません。
ですから、悪い仕組みの場合には、反対に悪い条件が揃っています。
重要ないくつかをいい加減にしていると悪い条件が揃ってしまうのです。
成果プロセス主義は、好ましい条件が揃うようになる仕組みといえます。
成果プロセス主義
成果プロセス主義は、結果の多寡ではなく、予め設定した目標に到達したか、しなかったで評価する方式のことです。
成果プロセス主義を現実のものにするには、目標を達成できるエキスパートが不可欠です。つまりエキスパートとは、目標への到達方法を知っている者です。
エキスパート は、経営の要であり、エキスパートとして行動することは数値責任制度で仕事をすることを意味します。エキスパートは 成果プロセス主義の象徴的存在です。
成果プロセス主義を成功させるには、価値前提の経営であることが必然になります。
結果主義(出来高主義)
結果主義は、達成率で評価するやり方で、出来高主義とも言い換えられます。
結果主義は、 目標への到達方法を知っているエキスパートが育成される迄の過渡期の尺度です。状況に応じた使い分けが必要です。また使い分けによって職位も変わります。
それにしても 、人を育成する仕組みが 破綻していると、いつまでたってもエキスパートが育たない状態では、ずっと結果主義で経営している会社が少なくないのも現実です。
過渡期にある会社は「成果プロセス主義」への転換をめざし、改善するための計画が必要 です。
それには、価値前提の経営に変更する必要があります。
価値前提の経営
価値前提の経営とはある価値観を共有しその具体的な実現を目的として経営する行き方をいいます。
「価値前提の経営」の反対が「事実前提の経営」です。
事実前提の経営とは、数値主体の経営です。資金力に乏しく企業規模が小さいほど、数値主体である事実前提の経営は現実的だと思いがちです。小さな企業が「世の中を変える」、「人々を幸福にするために頑張る」といってもリアリティがなく失笑を買うからです。
ところが、一見合理的に思える「この落とし穴」にはまってしまうと起業あるいはチェーンストア展開は挫折に向かいます。資金力に乏しく企業規模が小さいほど、数値は重要なのですが、数値はいつの場合も結果でしかないのです。いくら成果を目指しても得られる数値は行動の結果でしかありません。行動は選択の結果ですが、選択は選択の基準の結果なので、選択の基準に矛盾があると求める成果は得られないのです。
つまりこういう図式です。
選択の基準▶選択▶行動▶結果(成果)
売れない条件での改革を何度も体験してみるとこの原則が本当だと体験できます。
何度繰り返してこの図式が機能していることが分かります。つまり急がば回れというように本質から正して行くのが一番近道なのです。なぜなら求める成果は顧客なしには得られないからです。
予定する成果を確実に得ることが、報酬の条件になっていないと企業は資金調達の見込みが立たなくなるので、計画的な出店は困難になります。つまり否が応でも出店のペースは抑えるしかありませせん。まして過去に基づくばかりの予測不能な出来高主義で出店計画など立てることは出来ません。
これを防ぐには、確実な成果プロセス主義の貫徹が必要になります。
価値前提の経営▶目標数値▶成果プロセス主義▶資金調達計画▶出店計画▶人材育成計画
思うような出店ができないという会社は、参加者全員がよってたかって出来高主義の運営をしている結果だと知るべきなのです。ここを直さずして幸福な成功を手にすることはできないのは、ここに表したキーワードをひとつひとつ考えていただくと分かる自明の理なのです。そのような会社では間違いなく下記の構造(システム)にあります。
事実前提の経営▶目標が曖昧▶出来高主義(結果主義)▶すべて売上または儲け額で判断▶場当たり主義
このような構造になるのは人が悪いのではなく仕組みが悪いからです。このような仕組みを作ったという点で人の問題になりますが、それではいつまでも解決できません。まず仕組みを正した上で、なぜその必要があるのか、価値観を正しく伝えることができる人間力を早急に(期限を設定して期限内に伝えることができる能力を)身につけるようにする必要があります。
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