2013年1月16日水曜日

花無心招蝶 蝶無心尋花/会社の規模が違うとマネジメントも違う




会社の規模には大きい、小さいの問題ではなく、仕事の仕方がまるで違うという側面があります。そこで働いている方々の雰囲気も違いますが、それは日々のマネジメントの違いがもたらすものです。

禅の言葉に禅語に「花無心招蝶 蝶無心尋花」・・・・「はなはむしんにしてちょうをまねき ちょうはむしんにしてはなをたずねる」があります。

つまり自然の法則のこと、仏教では「因縁」のことをいいます。縁には良い縁と悪い縁があります。どちらを結ぶかで人生も仕事も大きく変わります。素晴らしい結果と縁を結ぶにはそうなるように力量がなければなりません。どんなに思い描いても縁を結ぶことはできません。さらに縁の不思議は一度良縁を結ぶと、どんどんいい方向に進んで行きます。良縁が良縁を運んできます。逆に悪縁も同じです。

いま自分が結んでる縁を客観的に見直してください。事実前提の経営になっていませんか?小さな規模ならOKでも、規模を大きくしたいのならそれでは飛躍するどころか破綻します。

この問題は、あなたが何者で、何をするべきで、何をしてはいけないのかを知るために大変重要なことです。

チェーンストアのことをレギュラーチェーンとも言いますが、なぜかチェーンに対して日本人は人間を束縛する道具のイメージをもってしまったようで、チェーンのイメージから直訳して連鎖店と解釈にして、鎖で縛られた自由のない店と偏見を持った時代があります。

元々、鎖が開発された目的は運搬の道具としてです。鎖はどんな形のモノでも一つにまとめて移動できる文明の利器です。一つひとつの鉄の輪は小さく非力で役に立たないなモノに見えますが、それが一定のルールで連結し、多数の輪が繋ぎ合わさると、一人の人間ではとても動かせない大きな物や多量の物を、思うところへ動かせるようになるのです。

チェーンストアとは、このすごいことをやる特別な仕組みのことです。鎖と同じで一店ではできるはずのないことを、特別に工夫された経営上のシステムによって、「素晴らしく豊かな暮らし」という利益を生活者に提供出来るのが、本来のチェーンストアの目的であり、本来の意味なのです。

チェーンストアという言葉には、重要な二つの意味があります。

ひとつは特別な仕組みであること。ある一定の法則で基準通りに店舗や商品が用意され運営されている点です。「基準通り」という意味からチェーンストアのことをレギュラーチェーンとも呼びます。

つまりいくら店があっても基準がバラバラならチェーンストアとは呼ばないのです。そこには「標準化」されたものが存在していることがレギュラーチェーンと言われる由縁なのです。


標準化

①最良の方式を発見し、
②関係者に教育し、
③その通りに実行できる状態をつくりあげる
④あらかじめ想定した期間が過ぎたら、その規格を改善・修正する

そして再び①からまたこのサイクルを繰り返すプロセスをまとめて標準化と言うのです。注意すべきは、このプロセスの①から③を規格化といい、それに④を加えたものを標準化と呼ぶ点です。


チェーンストアのもうひとつの特長は、普通のお店、集団とは、全く異質で、彼等が到底やれそうにないすごいことをやってのける経営形態、集団だという点です。

ここでいう「すごいこと」の本来の意味は、生活者を豊かにすることです。これこそがチェーンストアの目的であり、普通のお店、集団にはできないことなのです。その実現のためにハードワークにも耐え、ひたすら努力、向上心を絶やさず挑戦する集団のことなのです。

「すごいこと」とは売上で測るのではありません。たとえばスーパーが百貨店の売上を抜いたと言っても、業界のショック、従業員の喜びであったとしても、それだけのことです。「生活者を豊かにする」ことに届いていないのであれば、それは「すごいこと」でもなんでもないのです。

このようにチェーンストアには、標準化という技術の課題があり、貢献という理念の課題があるのです。チェーンストアには、この2つの意味があることを前提として、チェーンストアという単語を使い、チェーンストア志向と呼んでいるのです。


このことが重要なのには、理由があります。

普通のお店、集団とチェーンストア志向は、目的が違えば、経営の在り方も違ってきます。

10店舗までが普通のお店、集団。11店舗になるとチェーンストア志向だからです。

「我が社には20店舗あるがチェーンストア志向ではない」というのもあるかも知れません。しかしそれでは経営できないからです。なぜなら10店舗までのマネジメントと11店舗以上のマネジメントは全然違うからです。


11店舗以上あるのに、10店舗までのマネジメントをしていると、特殊な事情がない限り、会社は早晩、破綻するからです。

もう一度言いますが、普通のお店、集団とチェーンストア志向はゲームの土俵が全く違うのです。この認識がなくマネジメントの理解をしようとしない場合、潮流に翻弄されるのは自ら選んだ結果としか言いようがないので、それは総力をあげて避けなければならないのです。

花無心招蝶 蝶無心尋花」・・・・初詣に行くのは、前年に結んだ悪縁を断ち切るためです。一生懸命、頑張っている間に知らず知らずにマイナス面も創ってしまいます。次に進むには、マイナス面を断ち切らなければいけません。規模あるいは目標に応じてマネジメントを変えるから成長、進化できるのです。








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