2012年11月17日土曜日

一期一会/自律型マネジメントの4本柱




自律型マネジメントを実現するコアになっているのが、自主性ですが、自主性のコアにあるのがアサーションです。
アサーションとは、ひとことで言うなら、人を大事にすることです。
アサーションに似た言葉に、アサーティブ、アサーティブネスがあり、微妙に意味が違います。

それぞれ次のようになります。
  • 【アサーション Assertion】 遠い関係のものが近づくようにする活動
  • 【アサーティブ Assertive】自他ともに尊重する表現をする
  • 【アサーティブネス Assertiveness】自他ともに大事にされた実感の持てるWIN-WINな関係性

アサーションについては9つのアサーション権と、その集積である「責任をとる権利」でお話しました。
自他ともに尊重する表現であるアサーティブの仕組みは4つの大きな柱で成り立っています。率直であること誠実であること対等であること、そしてそれらを支える自己責任です。
この柱によって自分の居場所を形成しているといって過言ではありません。
誰しも、自分の家ではリラックスしたいものです。自分の居場所とは、ありのままの自分を肯定できる場所です。

しかし、現実の問題として、ありのままの自分を受け入れるといっても根拠もなしに受け入れる事は自分自身が許さないでしょう。そうゆえの葛藤なのですから。

人は誰しも自分は価値ある者と思いたい。そのために生きているといっても過言ではない。

人からどう思われようが関係ないといった短絡的な生き方が本当のできるかといえば、一般には不可能です。ひとは社会的な生き物だからです。
最近モラルやマナーも崩れて気ままに好き勝手なことをするひとが増えています。
しかし、これこそが自分いじめに他ならない。
マナーは他者と共存していくために自分にとって欠かせないルールです。しかし、それが自分にとって欠かせないものとは思えない。他人のためにあるものと思い込んでいる。
ここにひととひとの境界の崩壊が感じ取れますが、境界そのものが自分のための境界がどんなものであればいいのかを間違えている。
境界を遵守することは、我慢を強いられますが、我慢が自分のための貴重なスパイスだと思っていない。
これもすべて、そのはき違えた短絡さによるものです。
つまりこのような生き方には、率直さも、誠実さも、対等であることも、自己責任も見ててこない。自分の主張を社会性を失う事なく正々堂々と行うスキルを放棄して、権利の要求だけをプンプンとすねたように、皮肉っぽく行うと幼児性まるだしの恥を忘れた行いでしかないのです。果たして、それは自分を本当に幸福にできるのでしょうか?
同じような価値観をもった反社会的なミニ集団では許されても、健全な社会には通用しません。その逆恨みが、さらに間違った行動へエスカレートするほど、幸福からは遠ざかります。

また自分を過度に抑圧するひともいます。意見や主張を抑えてしまう。ひとの意見や態度を見てから、流れにそってかた発言する。だから会議や打ち合わせでは、なかなか言葉が出ない。
「君はどう思う?」よ促されても、すぐに言葉が出ない。
これも間違った態度です。
ひとには、自分が言った責任がありますが、言わなかった責任もあります。
言わなかったから責任がないというなら、放置した責任はどうなるのかと問われます。
言ったから、言わなかったからではないのです。自分はどうしたらいのか、社会人、つまり社会性のある生き物としての責任は誰にでもあります。
アサーティブは、ここであげた両者の流れと真逆の仕組みです。
率直であること、誠実であること、対等であること、そしてそれらを支える自己責任。4つの課題はすべてのひとに与えられている人権を尊重する意識に基づいています。
コミュニケーションは同じ価値観だから会話する、互いを尊重する。
これはコミュニケーションのありかたのひとつであっても、コミュニケーションのすべてではありません。
コミュニケーションは違う価値観、違う意見を認めることが原点です。

そのスタートが 、自分を肯定して、健全な形で、自分を主張することです。

「自分はもっと幸せになっていいのだ。同じように周囲のひとももっと幸せになってもいいのだ。 」アサーティブには、人権尊重の精神そのものがみなぎっています。
それを実現する力が率直誠実対等自己責任なのです。

そこには我慢が必要な場合もありますが、その我慢は痛みに耐える我慢ではありません。
幸福に向かうために、自ら求めるポジティブは我慢です。
一流のスポーツ選手に共通するポジティブな我慢の仕方、たとえば練習がそうです。
彼らは努力の仕方を、他のひとより体験によって多く深く知っています。
それと比較すると、時には無知に近いかも知れないけれど、求めれば身につきます。
率直であること誠実であること対等であること、そしてそれらを支える自己責任。
これらを求めることで身につけることができます。
そして会社組織なら、あるいはなんらかのグループであれば、業績より、数値結果よりも先に、率直であること、誠実であること、対等であること、そしてそれらを支える自己責任を果たす事を目標に掲げたいものです。その目標が達成すると数値目標も達成されています。

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