2012年11月11日日曜日

一志不退/いい会社とはどんな会社なのか





一志不退」・・・「いっしふたい
志を立てたら、決して引かない意味です。その時々の欲望や流行的な考え方、他人の価値観による意見に惑わされていたら、志を貫くことはできません。頑固になることではありません。人間は感情の動物ですが、感情に支配されてしまうと洪水に身が流されてしまうのに似た危険があります。この危険から身を守るうえで役に立つのがであり、その基礎となる価値観なのです。

どんな会社がいい会社なのか?結論から言うと、トップのやりたいことが実現できている会社が良い会社、できていない会社が悪い会社です。
リストラ、派遣切りをしている会社は、そもそもトップのやりたいことが実現できていない会社です。このような事態は想定していたプロセスにはないはず。もっとも最近では社会全般にライフスキルが未熟化する傾向にあって、弱者に甘えることをプロセスに折り込んでいる会社も少なくありませんが、正しいコミュ二ケーションができる成熟したライフスキルが浸透した会社なら、違うアプローチができます。

トップのやりたいことが実現できようにするには、どうすればいいのでしょう。トップの価値観、リーダーの価値観、所属する従業員の価値観が同じで、必要なスキルを備えていれば目的は達成されます。
原理原則から逸脱せずに、原理原則に則って行動を積み重ねていくことが基本で、目標管理ができることがリーダーに欠かせないスキルです。

リーダーはそれを実現するスペシャリストですが、スペシャリストには、トップのやりたいことを、部下を使ってチームワークで達成するスペシャリストと、部下を持たず自分ひとりで達成するスペシャリストがいます。事業所には、目的に応じて双方のスペシャリストがいます。
どちらも目的を達成するには、計画が必要ですが、ついつい原理原則から逸脱した行動によって目標管理ができない状態が生じます。
どうありたいのか、なにをするのかより、自分の感情の処理の方が優先されたりすると、業績は低迷します。特にリーダーが感情的な行動をとると影響は大きくなります。

スペシャリストが自分の感情の処理の方を優先するのは、価値観が経営トップとずれているからです。スペシャリストの価値観がずれていると、部下の価値観はさらにずれてしまいます。会社の価値観はまとまりのない歪んだものになります。
芳しくない結果の原因は、業界での競争など外的な要因よりもリーダーに問題があることが多いのです。
一般的に個人の価値観とのズレは感情的な食い違いに発展しやすく、人間関係に関する諸問題が生じ、円滑に仕事を進める上での障害にもなります。
会社や団体の目的よりも、個人間の問題に注目しがちに陥って、感情的な問題を引き起こし、その種の問題が一番大きな悩みになったりします。 それをまとめるのはリーダーの仕事です。リーダーの価値観は会社の価値観と重複する部分が多いのが一般的です。
しかし一般の一般従業員は、経験、見識、知識の乏しさも手伝って、価値観の共有部分が少ないのが一般的です。
人間はそれぞれにみんな本当の自分があります。ですから会社の価値観を個人に押しつけているだけでは、個人の能力開発は不可能です。逆に個人の価値観を認めただけでも能力開発は不可能です。
部下の価値観を優先しながら、会社の価値観と一致させるとは、会社の価値観を個人に合わせるのかと思う方がいるかも知れませんが、そうではありません。
ビジネスには顧客(ユーザ)がいます。自分の価値観だけでは成功しないことを意味しています。顧客の価値観、個人の価値観、会社の価値観は対立するものでなく互いに共有するものです。
三位一体で価値観が共有されて、一体感がうまれると、まるでご褒美のようにドラマティックな感動が三者に起こります。
それぞれに一体感がないと、感動はどこにも起こらず、会社の成長は小さく期待もできません。「共同体」に向かって感動を起こすことをいつも考えて行動を起こすようにします。

(図:重なる部分が多いほど価値観の共有が進んだ状態を表しています。)
数値目標のことしか言わない会社がやりがいを創造することは困難です。利益というものは、人間にたとえたら、息をしているようなものです。息をすることに生きがいを感じることはないでしょう?
スポーツジムで黙々と運動できるのも、より健康になりたい、やせたいという思いかあるからです。これが目的です。利益は目的を達成するための必要条件にすぎません。
売上10億円にしたい。1億個の販売を達成したいなどもそうです。これは目標ですが、これだけなら、いわゆるスローガンに成り下がります。
よく道徳的なスローガンを掲げている会社を見かけますが、物がない時代ならともかく、いまのように競争が激しい時代には、より具体的な目標がないとやりがいは発見できません。具体的な目標は価値観を共有する上で、とっても重要です。
たとえば業界でナンバーワンになりたい。地域で一番収益力のある会社にしたい。業界一に給与水準にしたい。モチベーションがあがる土台となる目標はいくらでも掲げることができます。
たいていはトップの想いが具体的に表現されたものになります。それが従業員にとっても意欲の源となる経営者やリーダーの意欲です。伝えたいことと思いがあることはコミュニケーションのスタートであり、ゴールまでのエネルギーです。
伝えたいことと思いが溢れている価値観は、それはライフスキルの成熟への欲求でありゴールになります。ライフスキルと一体化しら価値観は、他社よりも優れていると感じることができるもの、従業員に希望を与えるものが最適です。どんな厳しい状況でもそれは発表できるはずですし、するべきものです。

たとえば「ひとりでも多くのお客様にひとつでも多くの満足を提供したい」
こんなお題目で飯が食えるか、それより数字だという方もいますが、価値観は求める数値を現実にするための土台で、「ひとりでも多くのお客様にひとつでも多くの満足を提供したい」を科学的スキル(観察、調査、実験、分析、判断)を使うことで、お題目にしないのです。
IQよりもライフスキルの重要を知っているリーダーは自律性こそ力だと知っています。ライフスキルの成熟と不足の切実を知ったリーダーは感動を現実にするために、価値観にコミットメントするのです。価値観とは体験したい価値観に他なりません。
コミットメントは日本語に置き換え困難な英語ですが、もっとも近い言葉は不退転の覚悟です。コミットメントこそが、人が育ち、良質な遺伝子が育つ土壌なのです。このような感情体験をしたい、これこそが目標にすえるべきものです。トップの想いであり、共感した従業員が、獲得したい感情体験を共有し、実現する会社がいい会社であり、その進捗状況のバロメーターになるのが数値なのです。

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