2014年8月29日金曜日

【会社を潰さない社長の仕事】放置すればその日の内に情熱は失せる、消えない前に全員に火を点けること。



人間には自然治癒力があります。異常を発見して元に戻す、あるいは防御しようとします。体重の変化にも察知して減量を食い止めようと頑張ります。

いままで以上に集中力が働いた場合も同じで、緊張を緩和しようとします。疲労を感じて眠くなったり回復しようとします。

気持ちも同じです。今日の成果は今日で終わります。明日に繋げたければ、持続できるように手を打っておくことが必要です。できれば今日以上の成果が出るように。

今日の緊張感を明日も持続しようとすれば、今日の頑張りを労うことは大事ですが、緊張が続くように、明日の計画を伝えることを欠かすわけにはいきません。日が変われば早々に今日の計画を同じように伝えます。両方が必要です。


毎日がトレーニングです。せっかくガンバってレベルアップに向かっているのをわずかな無関心によって中断しては元も子もなくなります。一旦ゆるむと巻き直しに倍のエネルギーがかかります。ムダなエネルギーが必要になります。

気をつけたいのは、「なにをするか(どのようにするか)」も大事ですが、それ以上に「どうありたいか(どうなりたいか)」が大切です。


「なにをするか(どのようにするか)」は伝える方も、受ける側も分かりやすいので、どうしても、話の中心になりますが、それに気をとられていると、「どうありたいのか(どうなりたいのか)」が疎かになります。しかしそれだとレベルアップに限界があり、限界に達するとやがて崩壊が始まります。相互依存(チームワーク)よる相乗効果(組織力)が発揮できなくなるからです。

どのようなチームにも価値観は生まれます。価値観こそが接着剤のようにチームを束ねる要因だからです。チームには共有する優れた価値観がなければ進化できません。つまりなにを共有するかで組織力は強くも弱くもなります。たとえば優れたホスピタリティは、高い志(大義)のもとに生まれます。「なにをするか(どのようにするか)」でマニュアルは作れますが、ホスピタリティは「どうありたいのか(どうなりたいのか)」がないと提供できません。共有していてこそ、組織として実現可能になります。

業績アップであっても、資格のための勉強であっても同じです。業績をあげてユーザにどうしたいのか、ユーザに対してどうありたいのかのかがなく、なにをして儲けるか、売るためにどうするかに集中していると関係性はいずれ破綻します。当たり前ですね。

社員に対しても同じです。「なにをするか(どのようにするか)」を伝えるのには限界があります。もしあなたが聞く立場だったら「もう言わなくても分かっている」と思うはずです。しかし「どうありたいのか(どうなりたいのか)」には終わりがありません。終わりはありませんが、「できるようになった」はあります。ここが「なにをするか(どのようにするか)」と逆なのです。組織が継続する限り、業績向上に終わりがないので、「なにをするか(どのようにするか)」には終わりがありません。

ですから「分かっているけど儲かりません」という事態が必ずやってきます。
しかもユーザには「あなたから買う理由が見当たりません」といわれるようになるので、崩壊が始まるのです。

「どうありたいのか(どうなりたいのか)」を意識し続けることは、とても重要なのです。念のために言っておきますが、「どうありたいのか(どうなりたいのか)」は内面の心、状態のことです。

放置すればその日の内に情熱は失せます。消えない前に全員に「どうありたいのか(どうなりたいのか)」の火を点けることを毎日の仕事にしましょう。

自分の子どもだと思えば、その頑張りが無理なく続いて成長することを望むはずです。それと同じです。もし放置したことによって情熱が失せたら、叱咤激励、愚痴ることになります。言う方も言われる方も嫌機がさします。

せっかくの情熱、やる気が消え失せない前に、松明の火を消さないようにしたいものです。






【会社を潰さない社長の仕事】ストレスに対して感情の渦に身を置いて逃げ込まないこと。




感情の渦に身を置いて逃げ込むとは、アルコール依存性を思い浮かべてみてください。この場合のアルコールは感情そのものです。飲んで酔う程に現実から逃避できます。覚めれば元通りなので、また飲みます。

不思議なことにアルコール依存性の人にアルコールが好きな人はいないことです。目的は酔うことだけで、本当にアルコールが好きな人は食事を楽しむようにアルコールを楽しみます。

感情も同じです。感情は人生に潤いを与えてくれます。感情がなければなんとつまらないことになるでしょう。しかし感情的になるのとは全然違います。まさしく感情に溺れることで、苦痛を忘れようとします。実際には苦痛は増すだけで何の解決にもなりません。

時間のムダです。主体的に生きている人は天気とうまくつきあうことをします。雨だから憂鬱ではなく、雨の日にできることをしようとします。ストレスも同じです。
主体的とは自分の価値観に基づいて行動できることです。他者の価値観に左右されないのです。あるいは左右される範囲が小さい。感情的な人は他の条件に反応しすぎる人です。

反応を許しているのは自分だということが分からない人です。状況によって生じる感情に反応していて、一貫性のある経営はできません。必ず信頼を失くします。言葉や行動に自分が責任を負わないので周囲には不審が募ってしまいます。一過性であるため本人にはそれが見えません。

このパターンの恐ろしいのは、反応の仕方に自分が注目していて、一定のルールを持っていることです。反応することを自分が許していて、反応することが正しいとさえ思っていることです。このやり方では「仕組み」ができなくなります。


仕組みは自律心、主体性がないと完成しないからです。


【会社を潰さない社長の仕事】どんな悪い環境でも、すべてを受け入れること。



これは、主体性の問題です。もし自分の外に問題があると考えるなら、受け入れることはとても困難に思えます。
しかし、自分の内にあると考えるなら、受け入れることができます。受け入れるとは責任を引き受けることです。

そう言うと、ほとんどの人は責任を引き受けることを嫌い、問題は自分の外にあると考えたいので、受け入れることはできないと思います。

さて、受け入れないことで自分のプラスになることがあるかどうかです。




主体性が自分以外にあるなら、外部に反応して活動していることになります。
抱えている環境にあって、自分の活動の影響が及ぶ具体的なものになにがあるか鮮明にして実行することを思い浮かべてみてください。

できることはそれしかないからです。
しかし、自分の外にあると考えて、ほとんど何もしないか、気の入らない状態でしていることと比較して、できることを主体性を以て、他社と違いが出るまでやってみてはいかがでしょう。

「どんな悪い環境でも、すべてを受け入れること。」とは「どんな悪い環境でも、主体性を失わないこと。」なのです。

この意味は主体的に頑張ろうという意味にとられがちですが、そうではありません。主体性がないと仕組みが創れないからです。

仕組みがないと相乗効果は生まれません。相乗効果は裏返すと因果関係であり、仕組みそのものです。因果関係を主体的、ポジティブに運用すると、共有〜相互依存に変化し、相乗効果に変わります。1の頑張りを5にも10にもしたのが相乗効果です。

因果関係の悪い事例がチームワークの空中分解です。野球を例にします。ピッチャーが自分の責任を果たしているのに、野手がエラーを連発するとピッチャーの責任感も破綻してしまいます。しかし野手がピッチャーの頑張りにふさわしい、あるいはそれ以上のプレーをすれば相乗効果が働きだします。この状態を待つのではなく、主体的に仕組みを創るのがトップの仕事です。


「どんな悪い環境でも、すべてを受け入れること。」とは「どんな悪い環境でも、主体性を失わないこと。」であり、「どんな悪い環境でも、相乗効果を発揮するようにすること。」なのです。


2014年8月21日木曜日

【会社を潰さない社長の仕事】それでも起こったトラブルは楽しむこと。



それでも起こったトラブルは楽しむこと。

準備をしても、しても、時には思わぬことが起こりトラブルは発生します。
スティーブ・ジョブズは「アイデアを出せば9割は完成したと考える。そして考えを伝えさえすれば社員が具現化してくれると思いこむ。しかしすごいアイデアから優れたものを生み出すには大変な積み重ねが必要だ。アイデアは変容し成長する。細部を詰める段階で多くを学ぶし妥協も必要になる。不可能なことが次々と出て来る。5000のことを一度に考えることになる。大量のコンセプトを試行錯誤しながら組み替え新たな方法で望みのものを生み出す。そして未知の発見、問題が起こるたびに全体を組み直す。そのプロセスがマジックを引き起こす」http://youtu.be/vkSCLvIaCcI

このように語っています。トラブルはより成長したいと願う者にとって、組織にとって、天の恵みでもあるのです。
起こったトラブルは楽しむことができるか、できないか?
それは成長の明暗を分ける選択なのです。

なぜ大事な場面で避ける、逃げようとするのか
私たちは個人生活でも、職場にあっても、責任を果たすことは、自分の能力を発揮する価値ある行動ですが、そこに至る判断、選択、行動のプロセスは自尊感情の高さに影響を受けています。

自尊感情とは自己肯定感、つまり自分はやれる、あるいはやれるはずだ、やれそうだと自分を信じて、自分を受け入れることができる気持ちです。
結果が問題ではありません。
間違いがあっても、またやり直したらいいと判断して、やり直せる力の基礎になる気持ちです。
やり直しの繰り返しやり直せば、徐々に間違いはなくなりやがて達成できるようになるものです。自分を信じていると、そういうふうに自然にできます。

ところが自尊感情が低いと自分を信じることができないので、少しやってみて間違うと失敗した、あるいは失敗すると思い込み、関わるより避けようとします。

ですから、自尊感情の高いひとは、自主的に責任を引き受けたいと行動するし、反対に自分の能力を低く見積もっている人にとっては、重圧になり、引き受けようとしません。

その違いは一過性でなく、人生のいろんな場面で、繰り返し起こることから、自尊感情つまり自己肯定感を高める循環を繰り返すひとと自己否定感が高まる循環を繰り返すひとに分かれます。

この違いは放置しておくと、一生続くということが普通に起こります。

重圧を強く感じるひとほど、苦痛も比例して大きくなるので、責任から目をそらし、逃げ出したくなります。
逃げるためのテクニックや口実はいくらでも用意できるし、使うことも可能です。

トリックは手品と同じようなもの。使えば使うほど上手にもなりますが、逃げてはいけない場面で逃げていると、どんどん人間力は退化します。自分にしか分らない挫折感にこだわるのと、周囲のひとの目を気にして、逃げて何の意味があるのかと思いますが、意味はありません。

挫折感なんて感じ方の問題だけで実体があるわけではありません。
自分の判断でしかなく、思えばあるけど、そう思わなければないものです。
周囲のひとの目といってもほとんどが自分にしか関心がないのが普通ですから、所詮、他人事でどうでもいいこと。これも実体のないものです。

それより問題は本人が、実体のないものをもって、ひととひとの間にある境界を越えてしまっているために、自分の感情と他者の感情がひとつになってしまう点です。

企業は人なりと言います。実際その通りであって、人の力で業績も風土も変わりますが、人を支えているのは組織(チーム)です。

2014年8月18日月曜日

【会社を潰さない社長の仕事】常に最悪の状態を予測、想定して、準備すること。







「常に最悪の状態を予測、想定して、準備すること。」は <PDCA>のPの段階で、行うことで、これこそがPDCAを機能させる必須条件です。

<PDCA>がうまく回せない人は、想像力の欠如が支障になることが少なくありません。マネジャーになるまで時間がかかるのは、経験で学ばせるからです。しかし「いち言えば十分かる」という言葉があるように、想像力が働くと時間は短縮できます。

「もし、これがうまくいかなかったら、どんな問題が起こるのか」因果関係が読めると先に先に手が打てるので問題を回避でき、余計な問題が起こらないので、忙しさを減らすことができます。

計画をしたときに、
・問題が起こりそうな点はどこか
・その問題が起こればどのような支障があるか
・問題を未然に防ぐにはどうしたらいいのか
・それでも問題が起こればどうしたら最小限に防げるか

と、最悪の状態を予測、想定して、準備すれば、最小限に抑えられます。

<PDCA>がうまく回せない人は、これをしないので、いつまでも後手になってしまいます。

電気会社のトップを勤めた人が食品会社のトップもやれるのは、こういう経験を多く積んでいることも一因です。















【会社を潰さない社長の仕事】毎日PDCAを回して常に改善を図ること。




成功された方々を見ていると共通点を見て確信することがあります。
すぐにお金を稼げる人は、お金を稼げない人が知らないことをご存知です。異性に人気のある人は、モテない人が知らない事をご存知です。
次々とビジネスを成功させる人は、そうでない人が知らないことをご存知なのです。
つまりどのような分野であれ、うまく行く人はそうでない人が知らないことを知っているのです。
本当にそれだけなのです。
「では、なぜ成功している人は、成功していない人が知らないことを知る事ができるのでしょう」
 学歴は関係ありません。中学生の時に家出をして事業で成功した人もいました。暮らした国がどこなのかも関係ありません。生まれた国、成功した国に因果関係もありません。
どこでどのようにして、彼らは知ったのでしょうか?
その違いを自ら引き寄せ生み出したのが、ある1つの力。成功と失敗の原理原則を認識する力です。
つまり成功のパターンを実行し、失敗のパターンを避けただけのことなのです。それの発見へ誘導してくれるのがPDCAです。
成功するためには絶対的な鉄則があります。
コツコツとやり続けること。
間違ったやり方を続けないこと。
間違ったやり方をコツコツとやり続けていると、どうなると思いますか?
自己否定しながら、他者否定を強化していくことになります。
ポジティブさがどんどん失われていき、挑戦する気概が失われ、結果的に自己否定感をどんどん引き寄せてしまい、最後には堤防が欠壊するように無気力になります。特別な話ではなく因果関係が引き起こす原理原則なのです。
「原理原則」という言葉は日常的に使っていると思います。
あるとき、ある会社で重役、管理職、全員を集めて、原理原則に基づいたマネジメントの方法を説明しました。

すると案の定、どこにでもいそうな批判的な人が何人かいて、それをなだめる人が何人かいて、「原理原則だから、しなくてはいけないと言う訳ではないんだよ」と言いました。
私は原理原則に基づいたマネジメントを実行してほしかったから説明したのですが、その会社は、その半年後に倒産しました。
間違ったやり方をコツコツとやり続けない方法がPDCAです。


PDCAは子どもでも使っています。それを大学も出て社会経験豊富な管理者が難しいというのはなぜでしょう。
実はやったりやらなかったり習慣がないのが問題なのです。PDCAは時系列でやらないと効果がありません。
管理者であれば忙しいのが当然です。あれもこれも課題も多岐に及ぶので習慣化するのが難しいだけです。
解決策は簡単です。PDCAを考えて報告する担当者を任命すればいいのです。
管理者育成と同時にPDCAを回す時間の両方が確保できるのはもちろん目標をシェアできます。
間違ったやり方をコツコツとやり続けないでください。見せかけのやる気が充満していると間違ったやり方をコツコツとやり続けていることが見えなくなります。

成功と失敗には、その違いをもたらす違いがあることを忘れず、「違い」を実行することです。PDCAはそのゴールデンルールです。











2014年8月17日日曜日

【会社を潰さない社長の仕事】マイルストーンを命のように大切にして毎日の達成を祝福すること。






経営者、会社の重責にある者なら誰でも利益に関心があるでしょう。いかに大義を重んじる人でも、利益が出ないとこれでいいのか不安になります。

しかしいくら心配しても悩みは尽きません。
利益は行動の結果だからです。行動を変えない限り結果を変えることはできません。

その行動はマイルストーンで実践します。もし次の区間までの間で達成できないなら見直しするべきです。

マイルストーンがない。あるいはこだわっていないとどうなるでしょう。

先にもお話したように作業は動作の固まりです。
作業を最小単位で分解すれば、動作の見直しも容易です。作業のまま改善するとなると見直しもストレスも多く大雑把になり細部まで目が届きません。ストレスが多いと感情的になります。メカニックな問題を感情論で解決できる訳もなくストレスだけが増大し、支離滅裂になります。自分で自分の首を締めているようなものです。

マイルストーンを成功に導くのは「準備」です。準備段階でテストはつきものです。準備段階で結果が見えていることは前提です。

ここでは結果を出した時の対応として毎日の祝福です。
これが維持、さらに目標アップ(攻撃は最大の防御なり)の土台になります。祝福の仕方はいくらでもあります。費用がかかるわけでもありませんので、是非実行してください。


PDCAを自然に扱う考える集団、つまり自律型マネジメントを主体的に行う集団へ変貌させることにつながります。企業風土が変われば会社は変わります。

会社が変わればトップマネジメントも変わります。

好ましくない企業風土を続かせて、トップマネジメントがネガティブになることを思えば、マイルストーンを命のように大切にして毎日の達成を祝福することは成長の礎であり、楽しいことです。












【会社を潰さない社長の仕事】毎日は地味だが目の前の成すべきことに無我夢中で取り組むこと。





毎日は地味というのは、準備と実施のプロセスに於ける緊張。その結果の達成感。その緊張と喜びのバランスを考慮すると瞬く間に一日は過ぎてしまうことが、あまりに成果が小さく思えてしまうことです。

しかしこれは馴れの問題です。一日は小さいがそれが重なれば大きな成果になることを体感すれば意識は変わります。緊張感に馴れて行くと習慣として難なくこなせるようになり、むしろ準備しないことが気持ち悪くなります。

問題は程度です。準備の程度は、前回でもお話した「理想に現実を合わせる」ための準備です。

毎日が無我夢中であるなら自然活気づき、モチベーションも上がります。しかも達成するので、好循環していきます。

管理者の重要な仕事は、このスパイラルを作り、維持強化することです。そうすると出来ないと思っていたことができると思うようになり、誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じるようになります。


ここまで来ると慢心せずに注意深く、目標を徐々にあげていくことが重要です。横ばいは馴れを考慮すると実質の衰退を意味します。「攻撃は最大の防御なり」の本当の意味はここにあると思います。

さて、ここに落とし穴があります。精神主義的なハッパのかけ方でチームを動かそうとするとマイナス要因を知らず知らず作ってしまいます。

いわゆるブラック企業というのは、理想に現実を合わせる方法に無理があるのです。本当に必要な能力がないのに結果だけを追い求めてしまうからです。その原因は、「大義」がないことにあります。

大義、目的・目標、マネジメント、理想に現実を合わせる、マイルストーン、準備、達成できる能力の不足の発見と追加教育、PDCA 、という一連のプロセスで決定的な不足がうまれるのは達成できる能力の不足の発見と追加教育です。

これを放置したままPDCA を回そうとするので無理があります。

それをもってしてPDCA は難しいと言うのが乱暴なのです。PDCA は誰でもが無意識に使っている手段です。子ども、老人、男女問わず、どんな場合も改善する場合にはこれしかありません。それがなぜ放置したままになるのかというと、北十字星がないまま動くからです。つまりこれだけは譲れない。譲ったら何のためのやっているのか分からないという大義がないからです。












【会社を潰さない社長の仕事】目標に圧し潰されないようにマイルストーンがあること。





この課題は簡単ですね。

誰でも大きな目標を与えられると不安になり、逃げ出したくなります。
それでもやる気が失せない、モチベーションが上がる人は、目標達成のコツをしっているからです。

目標達成までの道のりをできるだけこまかく区切り、区切った区間の予測される問題と対策を準備を細かくして臨んで行くだけです。

大きな目標を与えられると不安になり、逃げ出したくなる人は、これをしていないだけです。なぜできないかというと日頃から感情で行動している習慣が災いしています。

感情は人生に潤いを与えます。

しかし<ビジネス、仕事><心のつながりや愛>をひとつに繋ぐのは感情ではありません。大義であり、ステークホルダーを幸福にすることです。淡々と出来る力を育むことです。ラポールとは想いではなく、能力なのです。

能力開発を感情でごまかすことは、プロセスを台無しにしてしまう危険があります。
そんな時間があれば、マイルストーン単位の準備に使うべきです。トップが準備の確認をする習慣を持てば、いやでも準備は習慣化されます。


準備があれば、問題が起こる前に対策され、難なく乗りこえていけます。難なく乗りこえるようにしたからです。感情にはそれをする力はありません。












【会社を潰さない社長の仕事】誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。



誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。

これはとても重要な課題です。

難しいけれど、思う程難しくはありません。しかし、実際のところトップを始め上級管理者ほど信じていないことが少なくない。これこそが大問題なのです。

自分はできないと思いながら他人を言う。他人はそれをそのまま受ける。そのまま受けるとは心底できると思わずに要求している矛盾を受けるということです。

人と人のコミュニケーションは、言葉だけでなく、アイコンタクトや表情、動作などのディーランゲージを使った非言語コミュニケーションも含まれます。
言葉では、どれほど力強い単語を駆使しても、非言語部分で本音が漏れてしまうのです。

このような欠点を逆に利用して深い思考は苦手でも言語、非言語を含むコミュニケーションが巧みな外向的な人を量産する傾向が増しています。つまり両者とも嘘が得意というわけです。

このようなことがまかり通ると仕事の仕方そのものが見せかけだけを奨励する最悪の結果になります。
時間さえ長ければ一生懸命やっているイメージをうえつけ、実際には生産性が低いのに、ガンバっているけどうまくいかない。うまくいかない原因は自分たちの外側にあると環境を批判することに終始して、業績は低迷することになります。

逆に内向的でも意欲的な人間は、やる気を失い、酷い場合には出社拒否、うつになることもありますが、欺瞞に気づかない会社にあっては、このような人を攻撃してしまうことがあり、病理的集団になる危険があるのです。まるで第二次世界大戦の日本のようです。

それでもまずまずの業績を維持していれば外部の目を別にすれば誰も危惧することはありません。

健全に誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていることが単なる妄想にならないようにするには、実力が伴う必要があります。しかしそれは理想であって、現実はそうもいきません。

そこでリーダーシップ、社長の仕事なのです。先に言ったようにトップを始め上級管理者ほど信じていないのではなく、トップを始め上級管理者ほど信じている状態に逆転しなくてはなりません。

その源はカラ元気ではなく、マネジメントの徹底しかありません。マネジメントは管理ではなく、困難と承知の上で達成すること、そのプロセスです。理想に現実を合わせるのです。<現実に理想を合わせるから見せかけが起こる>のです。こんなことをするから、当たり前ですが、理想は破綻する結果になります。

現場主義を唱える人にもこの危険があります。現実に現実を合わせて理想を引き下げてしまうのです。

企業が成長するには理想に現実を合わせる一手しかありません。
チームワークの原則と同じで、不足する能力を発見して追加教育するしかないのです。重要なのは現実に遂行しているかどうかです。

これを図る手段が日々の業績です。

たとえば、あらゆる作業は動作の固まりです。動作レベルで追加教育するから能力アップできるのです。言うなら日々の業績というのは動作の結果なのです。固まりのまま改善しようとするから、お題目になるしかないのです。

難しいけれど、思う程難しくはないというのは、この点があるからです。

それでも難しいというのは、感情の世界です。つまりやりたくないということでしかありません。やりたくないのに、「(自分以外)誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。」が起こるとしたら、笑止千万、なにかの間違いでしかないのです。

「誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。」とは、気持ちの問題のように思われますが、断じてそうではありません。

能力的にできると思うから気持ちの上で思うだけで、対策は能力開発しかありません。テクニカルな問題を感情で解決はできません。

「誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じるようにするためにはマイルストーン単位で結果を出せるように能力を追いつかせることが必要なのです。








【会社を潰さない社長の仕事】目標は北十字星の如きであること。


目標は全員が知っていて分かりやすいものでなければなりません。

しかし現場に赴けば分かることですが、「北十字星は?」と聞いても「さあ?」という顔つきを見ることになる。

知っているのは「責任者」だけということが少なくない。

責任者は伝えたと言う。部下は分かったような分かっていないような。





部下は言う「マネジャーは大変そうですが」。。。他人事のような口ぶりは、仲間から閉め出したために起こっています。勿論マネジャーはそんなことをしたつもりはありません。

しかしマネジャーにすれば頼ることができないので、そこまで関わらなかっただけのことです。そこまでとは、チームワークができるように関わらなかったということです。

チームワークとは、ひとりひとりが責任者です。それを束ねた責任者がマネジャーです。
すべての責任者の頂点に立っているのが社長です。御神輿ではありません。

すべてを束ねて率いているのが社長です。その指先はみんなが見えるように北十字星を指していなければ、みんながどこに進んでいいのか分からなくなります。

共有、シェアですね。



チームワークができるには条件があります。分担した仕事が誰かに手伝ってもらわなくても、自分でできることが条件です。

そのためには、完遂できるか、できないか、ひとりひとり、チェックしておかないといけません。できない場合には追加教育が必要です。

社長にひとりひとり追加教育しろというわけではありません。
しかし果たせるか、果たせないか、知っていて、果たせない場合には追加教育が行われ、完遂できるようになって行う仕組みが機能しているか、どうか、その有無は知っていないと仕事になりません。

なぜなら、完遂できないのに、北十字星を指さしても、行くことはできないからです。

冷静に考えてみてください。とても滑稽な姿が目に浮かぶはずです。

社長にそんな滑稽な姿をしてもらっては困ります。


「目標は北十字星の如きであること。」とはそういうことです。スローガンではありません。






2014年8月16日土曜日

【会社を潰さない社長の仕事】その目的、目標には大義があること。



どこの会社にも予算(利益目標)はあると思いますが、これしかない会社と、大義のある会社があります。

大義とはなにか。辞書には人として守るべき道義とあります。

「お客さまの喜びが私たちの喜びです」とメッセージを送りながら食品偽装をする。正義面を全面に出して偽りの報道を30年以上続ける。
自分の利益の最優先があり、道義を分かっていないのではなく、分かった上での後回しです。つまり詐欺です。

ここまで酷いのはともかく、酷くなってしまうのは「道義に準ずる」という意識がないからです。利益が大事だからこそ、卑しくならないように道義が必要なのです。もっともこれはノンアサーティブ(非積極的)ですが、自主的あるいは自律的に道義に準ずると、目的、目標になり、予算も道義に準じます。

つまり企業経営の判断基準になります。人生は選択の連続といいます。会社経営も同じです。選択の度に道義が基準になります。

そういうと必ずきれいごとだと言う人が出てきます。利益を出さずに道義もないというのです。そう思う方はそう思えば良い。企業の競争とは他社との違いを出して、違いを選んでいただくことがすべてです。

あなたが買う立場なら、道義のある会社と、利益しか求めていない会社と、さてどちらを選びますか?

さて、問題はこれで解決するわけがありません。

実は、ここが始まりです。

「利益のためなら何をしてもいい」というのと「利益は必要だが道義に反することはできない」というのでは、どちらが厳しいですか?

当然、後者です。同じ筋トレをするのでも手足に重りをつけているようなものです。
そうです。鍛え方が違うのです。鍛え方が違うとどうなると思いますか?

「他者から奪ってでも自分だけの利益を最大化することが成功の条件だ」と思い込んでいると、「自分がお客さまを幸せにすることで愛され支持され成功する」と考えて、自分を鍛え続けてきた人に出会うと、勝ち目がないと思うのです。

そこでますます奪うこと偏るものと、鍛えることに偏るものに分かれます。
お客さまは違いの在り方で選びますので、差は拡大します。

「利益」について正しく理解することが、本質をつかむためには不可欠です。

利益とは何でしょう?

会計的に言えば、売上から費用を引いたものが利益です。つまり、お客様に商品やサービスを販売した価格から、その商品やサービスを提供するために必要なコスト
を引いたものです。

お客様が、会社が支払ったコストよりも高い価格で、その商品やサービス
を買うのは、それだけの価値を認めているからです。

しかし、価値を認めていても、払える人と払えない人が出てきます。
1000円の牛丼が食べられる人と、食べたくても食べられない人がいます。

この選択も大義が基準になります。

「価値を創造してその対価として得る利益」と、「価値を創造することなく誰かから奪って得る利益」があります。

価値を認めていても、払えない人を対象にしていると、「価値を創造することなく誰かから奪って得る利益」で成長するしかないように思えます。つまり大義を捨てるということです。

裏返すと大義がないからこのような選択ができます。

大義があれば、このような場合でも、「価値を創造してその対価として得る利益」に準ずる選択ができます。いいえ、するしかないのです。

経営にはいくつもの重要な要素があります。整理したのがステークホルダー(利害関係者)です。経営のプロセスと結果で、ステークホルダー全員が幸せになれるといいのです。「他者から奪ってでも自分だけの利益を最大化することが成功の条件だ」には、すべてのステークホルダーへの目線が抜け落ちています。


道義とステークホルダー。両方を満たすことができれば、いつの間にか、別のものとして分けしまった「ビジネスや仕事」と「心のつながりや愛」をひとつにまとめあげて利益に結びつくようになります。






2014年8月10日日曜日

「働きがいのない会社」




働きがいのある会社のある一方に「働きがいのない会社」があります。

働きがいのない会社とは、社長が仕事をしていない会社です。つまり役職者が役職にふさわしい仕事をしていない会社です。

社長の仕事

明確な目的を持ち、チーム全員に行く方向(目標)を鮮明に示すこと。
その目的を達成すると、どうなるかを全員に認識させること。
その目的、目標には大義があること。
目標は北十字星の如きであること。
誰一人として疑う者なく、全員がやれると信じていること。
目標に圧し潰されないようにマイルストーンがあること。
毎日は地味だが目の前の成すべきことに無我夢中で取り組むこと。
マイルストーンを命のように大切にして毎日の達成を祝福すること。
毎日PDCAを回して常に改善を図ること。
常に最悪の状態を予測、想定して、準備すること。
それでも起こったトラブルは楽しむこと。
どんな悪い環境でも、すべてを受け入れること。
ストレスに対して感情の渦に身を置いて逃げ込まないこと。
放置すればその日の内に情熱は失せる、消えない前に全員に火を点けること。

では、これを行えばいいのかというと、そうですが、そういう訳にはいきません。
この14の団子を<部下とのコミュニケーション>で串刺しにしないと半減します。

たとえば目標は北十字星の如きであること。
と言っても一度伝えてどうかなるかというとどうにもなりません。月に一度ではどうかと言うとやはり伝わることはありません。では、書いて貼っておけば、どうかと言うと、やっぱり無理です。むしろ悪くなる可能性があります。

行動で示さないと、嘘つきでしかなく信頼を失う原因になります。

目標をいつも追いかけていれば、伝わるようになります。本当に正しく理解されているか確認したくもなります。そうすると確認します。「分かってるな」なって愚かな聞き方をしたって信用されません。どのように取り組んでいるか聞いてあげることです。

聞いても十分な回答がない場合も多いでしょう。そこでキャッチボールしたくなります。

それを頻繁に繰り返せば、伝わるだけでなく、分かってあげることで信頼関係が生まれます。信頼関係が生まれてからコミュニケーションは可能になります。

そこから「目標は北十字星の如き」ものになるように、育つチャンスが芽生えます。

もし、このようなプロセスを得ないと「活気のない会社」になります。「活気のない会社」とは共有する目標がない会社です。共有するものがなければないほど「活気のない会社」になります。

モチベーションが下がり、楽しくないのでいくつかのリスクが生まれます。
  • 仕事をこなす能率が低下します。
  • 人材の定着率が悪くなります。
  • モラルが下がり事故(不正、不祥事)が増えます。


結局、「活気のない会社」は「働きがいのない会社」に成り下がります。