2014年8月16日土曜日

【会社を潰さない社長の仕事】その目的、目標には大義があること。



どこの会社にも予算(利益目標)はあると思いますが、これしかない会社と、大義のある会社があります。

大義とはなにか。辞書には人として守るべき道義とあります。

「お客さまの喜びが私たちの喜びです」とメッセージを送りながら食品偽装をする。正義面を全面に出して偽りの報道を30年以上続ける。
自分の利益の最優先があり、道義を分かっていないのではなく、分かった上での後回しです。つまり詐欺です。

ここまで酷いのはともかく、酷くなってしまうのは「道義に準ずる」という意識がないからです。利益が大事だからこそ、卑しくならないように道義が必要なのです。もっともこれはノンアサーティブ(非積極的)ですが、自主的あるいは自律的に道義に準ずると、目的、目標になり、予算も道義に準じます。

つまり企業経営の判断基準になります。人生は選択の連続といいます。会社経営も同じです。選択の度に道義が基準になります。

そういうと必ずきれいごとだと言う人が出てきます。利益を出さずに道義もないというのです。そう思う方はそう思えば良い。企業の競争とは他社との違いを出して、違いを選んでいただくことがすべてです。

あなたが買う立場なら、道義のある会社と、利益しか求めていない会社と、さてどちらを選びますか?

さて、問題はこれで解決するわけがありません。

実は、ここが始まりです。

「利益のためなら何をしてもいい」というのと「利益は必要だが道義に反することはできない」というのでは、どちらが厳しいですか?

当然、後者です。同じ筋トレをするのでも手足に重りをつけているようなものです。
そうです。鍛え方が違うのです。鍛え方が違うとどうなると思いますか?

「他者から奪ってでも自分だけの利益を最大化することが成功の条件だ」と思い込んでいると、「自分がお客さまを幸せにすることで愛され支持され成功する」と考えて、自分を鍛え続けてきた人に出会うと、勝ち目がないと思うのです。

そこでますます奪うこと偏るものと、鍛えることに偏るものに分かれます。
お客さまは違いの在り方で選びますので、差は拡大します。

「利益」について正しく理解することが、本質をつかむためには不可欠です。

利益とは何でしょう?

会計的に言えば、売上から費用を引いたものが利益です。つまり、お客様に商品やサービスを販売した価格から、その商品やサービスを提供するために必要なコスト
を引いたものです。

お客様が、会社が支払ったコストよりも高い価格で、その商品やサービス
を買うのは、それだけの価値を認めているからです。

しかし、価値を認めていても、払える人と払えない人が出てきます。
1000円の牛丼が食べられる人と、食べたくても食べられない人がいます。

この選択も大義が基準になります。

「価値を創造してその対価として得る利益」と、「価値を創造することなく誰かから奪って得る利益」があります。

価値を認めていても、払えない人を対象にしていると、「価値を創造することなく誰かから奪って得る利益」で成長するしかないように思えます。つまり大義を捨てるということです。

裏返すと大義がないからこのような選択ができます。

大義があれば、このような場合でも、「価値を創造してその対価として得る利益」に準ずる選択ができます。いいえ、するしかないのです。

経営にはいくつもの重要な要素があります。整理したのがステークホルダー(利害関係者)です。経営のプロセスと結果で、ステークホルダー全員が幸せになれるといいのです。「他者から奪ってでも自分だけの利益を最大化することが成功の条件だ」には、すべてのステークホルダーへの目線が抜け落ちています。


道義とステークホルダー。両方を満たすことができれば、いつの間にか、別のものとして分けしまった「ビジネスや仕事」と「心のつながりや愛」をひとつにまとめあげて利益に結びつくようになります。






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