よくある間違いに、「分かっているだろう」という思い込みがあります。
人は自分がしていることには詳しくても他人がしていることには無頓着なものです。
30年もそこに会社があって、隣が食堂だったということを知らずに、離れたところに食べに行っていたというような嘘のような本当の話もあります。
マネジャーとワーカーの間では「目標を知らなかった」というのはザラにあります。
「無関心」という壁。を打破するには、熱意をもって繰り返し説明するにつきます。そうする内に耳を貸さなかった者も、「何を言ってるんだろう?」「一度聞いてみるかな」というように関心持つように変化していきます。この変化が起こらない内は上の空なのです。
210名中199名が死亡した、近代登山史における世界最大級の山岳遭難事故と言われる八甲田雪中行軍遭難事件を題材に映像化した「八甲田山」では遭難した隊と全員が無事に帰還した隊の両方が描かれますが、199名の死者を出し遭難した隊では、指示、伝達事項が人を介して行われているのに対し、無事帰還した隊では、上司から部下へ、ひとりひとりに直接、指示伝達されているのが印象的でした。
目的を確実に指示することはできても、その目的を達成すると、どうなるかを全員に認識させることまで、しているチームは多くはありません。
これがつまずきの原因になります。
指示出す者にとっては、「目的達成」が任務なので、伝えることに躍起になりますが、指示された者にとっては、目的そのものより、その後の方が大事な場合がほとんどです。
架空のドラマたとえば「特攻大作戦」のような映画で、難攻不落の要塞を陥落するために、並の兵隊では無理だと判断して、特異な才能を持った一癖も二癖もある服役中の猛者を集めます。そして任務を完了した際には、釈放してやるという条件を提示します。彼らは命がけの任務に就きますが、関心は釈放にあり、そのための目的達成でしかありません。釈放されるためになら、仕事を選ばずというわけです。
過酷な労働が有名だった運送会社には、収入目当てに数年限定で応募してきた人が後を絶たなかった事例もあります。彼らは結果にしか関心がなかったことは明白です。
「どうなりたいのか?」を知って「どうなれる。」を教えてあげる。やる気を引き出す必須条件です。
「どうなりたいのか?」に共感がなければ、「どうなれる。」を強調しても効果はありません。
「どうなりたいのか?」のかが、指示を受け任務を引き受ける者たちにとって目的です。つまり会社の目的を個人の目的に変換して、その目的が達成した暁には、個人の目的は達成される、よって個人は満足するという図式にして認知、共感しなければならず、目的を伝えるだけでは効果はあがらないのです。
この点と点を結び、夢に変えていくのがリーダーの仕事です。つまり「どうなりたいのか?」のかがなかった場合には、リーダーが創造して、個人の目的に変換しなければならないのです。
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