2011年6月16日木曜日

看脚下/準備力でマネジャーの能力は決まる




「看脚下」・・・「きゃっかをみよ」と読みます。靴をそろえる、そんなささやかなことが大事につながっている。一歩を踏み出すのは自分自身、他の人のことを気にしていては進めない。自分の足でゆっくり歩き出せば良い。靴を揃えるのは次なる行動の準備なのです。

マネジャーの仕事は、刻々と変化する状況に対処することが本分。心おきなく対応するには準備がすべて。準備と変化する現実を往来することで、先見性が養われて行きます。


マネジャーまたは幹部の条件

  • 出来事を数字化、単語化し、あるべき形を表現し、
  • それを行動に移す
  • 起こっている事実を正確に表現、
  • それを論理的に反省して、よりよくするための行動を起こす


起こっている事実を正確に把握し、論理的に言葉で説明できなければ打ち手を見つけることができません。感覚的に手を打つマネジャーがいるのは、次のような弱点があるからです。


マネジャーまたは幹部に 多く見られる共通の弱点


  • 思考手順(観察、分析、判断、論理手法)が破綻している
  • 調査と実験の曖昧さと不足
  • プラン作成と実行の継続(遂行能力)の不足



マネジャーの職務

マネジャーは以下の能力を合格点に達した状態でいつも持っていなければなりません。

たとえばサービス業、小売業での正しい店舗展開においては、能力が確認されてからマネジャーに任命されるものです。もし満たない場合には、アルバイトひとりでも部下に持つことはトラブルの原因になります。

チェーン展開の本場アメリカでは、20代から30代にかけてマネジメントスキルの修得のために猛勉強しています。その機会を失うと生涯、人の下でしか働けなくなるからです。

チェーンストア隆盛の日本ではどうでしょうか。人手不足から能力が不足していてもマネジャーに昇格して、マネジャーになったら今度はマネジャーなんだからそれ相応の仕事をしてもらわないと困ると迫り、責任遂行を求めるようになります。
しかし求めれども必要なスキルを身につえていないために仕方なしに、期待を要求せずに曖昧な責任追及に終始するようなことになっているケースが多く見受けられます。

この状態は会社規模によって差はありますが、本来は次のようなことが正しく行われている必要があります。

  • 部下への作業割当と勤務シフト表づくりをする
  • 部下の不足する知識と現場体験を発見し、それに基づくOJT(現場教育)を行う
  • コンプライアンス(国の法規と裁判所判例)に基づく労働条件と環境づくりを部下のために実現する
  • 資産の保全(伝票、建物設備、機器、在庫商品と材料、現金・有価証券の保全)と緊急時の対応、 対策をする
  • 報告書と全項目完全記入し、期限内に提出する


以上の内、「部下への作業割当と稼働計画づくりをする」と「部下の不足する知識と現場体験を発見し、それに基づくOJT(現場教育)を行う」の2項目はマネジャーの能力水準が個人によって異なるために、技術の向上はすべてのマネジャーにとって永遠の課題になります。

この2項目は、現在マートワンが提唱する「自律型マネジメントシステム」での週間会議でよく使用されている「計画」「指示」という言葉に該当する部分です。それ以外の3項目はいつも一定水準を維持することを要求されているものです。チェーン展開をする上で5項目への取り組み姿勢をとても重要です。

また5項目をカヴァーする能力には、観察・分析・判断の3つの考え方、計画、実験、調査の方法を使える技術を身につけている必要があります。
これらの技術は現場教育をマスターしていないと使いようがないことも留意しておきます。

これまでの経験において、これらのものが欠落している場合は、何らかの形で注意、勧告されているはずです。「叱られた」「注意された」「がんばります」ではなく、能力取得にただちに取り組む必要があります。

マネジャー教育は、精神的な訓練になりがちですが。そもそも「能力が確認されてからマネジャーに任命する」仕組みが機能していないために、トレーニング内容も、目的もない場合が少なくありません。



マネジメント・スキルが不足する場合 どうしたらいいのか。

「経営効率から算出した数値目標」は経営トップと一般従業員全員からの願いです。
願いを達成する稼働計画を作るには、作業の内容と適正な基準時間を知っている必要があります。つまり仕事を構成している作業の全種類がマスターされていてこそ、目標が達成できる適正な総労働時間が設定できます。

シフトは能力に関係なく組まれていて、各自が能力を発揮してもめざす数値が達成されないという矛盾が実際の現場で起こっています。つまり戦闘能力が明らかに不足しているにも関わらず、期待する結果を出せないことに不満を表すというようなことが起こっています。

この改善には、教育の絶対的な必要があります。

教育をせずに、
計画から実績を引き算して差異を算出して、
叱責と激励の抽象的あの手この手だけで道徳的心に訴える
意欲を出せと促すだけで、
結果的に数値は変わらないまま、計画と実績の不一致を続けて、
毎週毎月、いくら会議しても、手だてすら見いだせないまま
ひたすら同じことを繰り返すことは絶対に避けるべきなのです。
これを続けている限り、マネジメントはいつまでたってもできません。

先にあげたマネジメントとコントロールの技術の説明に、あてはめて考えていただくとどういう結末になるか想像してみてください。

望むような結果を出すプロセスが実行されないまま、いくら激励と叱責し、決起を促そうが、目標と計画を一致させることは不可能なのです。
一致 させられるとしたら、目標を能力に一致させた場合だけなのです。

会社は利益も出せず、 運営を続けるために、労働法規上の労働条件も守れなくなります。
いくら骨身を削ってがんばっていると言っても、がんばらないから仕方なしに、骨身を削っているだけのことなのです。
骨身を削って解決できるかというと、それでは出来ないのです。優秀な人材ならこの段階で、ついていけないと感じるでしょう。

これは努力の問題ではなく、技術の問題なのです。
結果を出すための努力の前に、技術を身につける努力が必要なのです。

必要なのは、教育や学習なのです。
貧しい国で、いあまる環境から抜け出るために、学問を身につけようとする人がたくさんいますが、それと同じです。
教育や学習もなしに、変わることはないのです。

数値は、仕事の結果でしかありません。
仕事は作業の集合です。作業は動作の集合です。
つまり実績を変えようとすれば動作を変えるしかありません。

動作を変えようとすれば、どのような動作にすればいいのかの検討が行えない限り変わりませんが、それには、仕事をマスターしていないとできません


だから、30代に成長するためには、20歳代に仕事(作業、動作)をマスターしておくことが欠かせないのです。


どうして、 このマネジやコントロールの基本技術ができにくいのかといえば、原因は明白です。
仕事を構成している作業の全種類がマスターされていないからです。
数字は作業の種類とその作業順序と作業自体のやり方を変えることによってのみ、変化します。

ひとは変わりたいと思いながら、変われずに悶々とすることがよくあります。
変わるには行動を変えるしかありません。

行動のなかにこそ自分がいます。

それには行動の優先順位を変えることです。習慣化してしまった自分の行動を、自分でも別人かと思うほどに変えてしまうと、自分は変わります。

マネジやコントロールの基本技術も同じで、仕事を構成している作業の全種類をマスターしている方がいいけれど、実際に追いついていないのなら、求める結果にもっとも影響のあることを優先順位のトップ、上位にもってくると 数字は間違いなく変化します





マネジメント力の必要

2 0 歳代で社会に貢献というのは、もともと想定しているレベルが低いからであり、社員の平均年齢が20歳代の企業ではひとりよがりにすぎないと言えます。

しかし管理者が30 歳代~ 40 歳代ともなると社会に貢献、つまり収益力の高い店舗運営ができるようでないと、本人にとっても会社にとっても、地域社会にとっても好ましい状態ではないと言えるわけです。

生産性と教育はこのように密接な関係の上に成り立っているわけです。それを、どんどん若年者に引き下げていっても、高い生産性を実現できるというのは、想定しているレベルが低くても、高い生産性を実現できるということであり、それは本部の教育を含めたシズテムの力なのです。

注目すべき点は、教育と挑戦的なシステムへの挑戦的な態度なのです。つまり、先にあげた「人間のビジネス能力の要素」の実行なのです。管理者が取り組む技術の総称が、マネジメントです。マネジメントの運営の意味は数値責任を果たすことです。



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