2015年5月26日火曜日

閑古錐〜「指示命令型マネジメント」と「自律型マネジメント」











閑古錐(かんこすい)
とは、古びて先が丸くなり、使われなくなった錐(きり)のこと、先の尖った錐は使い勝手もいいけれど人を傷つける可能性があります。反して先の丸い錐は役に立ちそうにもないですが、傷つける可能性も低くなります。

人間も同じことが言えます。若い世代に任せますが、困ったとき、トラブルが生じたときには閑古錐の出番です。まさしく
「自律型マネジメント」に通じる禅語です。


なぜ、キャリアのある人がない人より高給なのでしょう。

長く勤めているから?

給料は存在給ではありません。通勤給でもありません。
託された仕事を達成するからです。

誰もが知っていることですが、キャリアのある人がない人より高給なのは、実はPDCAをうまく回せるからですね。つまりマネジメントができるということです。

ですからキャリアのない人が、PDCAをうまく回せなくても仕方がないのです。

どのような障害が起こるか、十分に予測できないので、P(PLAN)が絵に描いた餅になりやすいのです。だから障害が起こる確率が高くなり、しかも対処する方法も抜けが多いので、途中で挫折しやすいのです。

「指示命令型マネジメント」の欠点は、キャリアを重ねても、絵に描いた餅を繰り返しやっているただけになるので、キャリアにならないことです。これだと人が育ってこないのです。

「失敗は成功の母」というように、考える習慣であるPDCAを日常のことにしていたら、必ず人は育つものです。ところが指示命令型マネジメントに終始していると、管理者のひとりよがりのカタルシスにはなっても、人をダメにしてしまうのです。

日本社会は語彙の豊富な人を賢い人と捉える傾向がありますが、人を人材と呼ぼうが人財と呼ぼうが、言葉遊びのようなことはどうでもよく、重要なことは、重要なことは、日夜努力して、PDCAを回せる人に育てることです。その成果がリーダーシップの発揮できる人に育つことになります。これは本人には家族を幸福にするリーダーシップとして役立つ財産になり、会社には全員経営の礎になってもらえる恩恵があります。

まだ本人にキャリアがなくPDCAをうまく回せない状態の場合、「指示命令型マネジメント」が必要です。ですがプロセスで、本人の状態を見極め、ゆるやかに「自律型マネジメント」に切り替えていくようにしましょう。

「指示命令型マネジメント」が有効なのは、全体に在り方(文化)つまり<Be>を浸透させる段階の時です。

民主的にという人もいますが、価値観が定まっていないチームに、民主的な運営を導入すれば、ダッチロール状態に陥ります。

「指示命令型マネジメント」を通じて「在り方」を徹底的に浸透させ、「在り方」が浸透したと思えば「自律型マネジメント」に切り替え、考えさせ、考える習慣を身につけさせます。考えるときの基準が「在り方」なのです。

「在り方」は経営理念と同じようなものですが、美辞麗句ではなく、現実的なポリシーです。社会に於ける存在意義と言っていいでしょう。言い換えれば「差別化戦略」になります。

たとえば「安く売ること」が差別化の要因のひとつであっても、そこに社会に於ける存在意義でとなる「在り方」が加わることで、オンリーワンの道筋が見えるようになります。

さて、PDCA,つまりマネジメントをうまく回せるようになるには、どうすればいいのでしょう。説明していきます。


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