2012年12月15日土曜日

だから怖い事実前提の経営


経営には事実前提の経営と価値前提の経営があります。
価値前提の経営とは「何を大切にするのか優先順位を定めて、その基準に従って展開していく経営」「企業理念」であり、「倫理規定」、「信条」という形で語られます。

一方、事実前提の経営は「目に見える売上や利益を重視し、売上や利益の最大化を基準に展開する経営」一見合理的 なので、資金力のない中小企業ではこちらを現実的と受け止める傾向が高いようですが、このやり方は致命的とも言える弱点を抱えています。

数値を判断するのは人間である点です。

つまりどこまでも客観的な人間など存在していなくて、個人特有の三つの心、人間関係の構え、人生ストーリーを持った人間の手に委ねられるからです。
自分なりの解釈を防止するのが、価値前提とした目標管理をする経営です。そうすることが、個人の色のついた経営を防止する方法なのです。

「個性」と称して個人の色をつけるのが特長だと考える人もいますが、全く理解できていない証です。ついていい所とついて悪い所があります。そうでなくても個性というものは出てしまうものです。たとえば接客のポリシーは全員に一貫していて、その上で「ありがとうございます」という時の笑顔の違い、これは個人の色がつく部分です。

たとえばスターバックスで商品を購入し、ギフト用に包装してくださいと頼むと包装は個人個人違います。お客様の要望を聞いて最善と思うように準備します。その姿勢をお客は「スターバックスの魔術」と勝手に呼んでいます。それができるように練習もしているのです。このような作業ができる根幹にあるのが「何を大切にするのか優先順位を定めて、その基準に従って展開していく経営」です。つまり個人の才覚で行動しても決して経営方針から逸脱しない仕組みがあるのです。これが重要なのです。
決して経営方針から逸脱しないから掲げた信条は実現できるのです。
事実前提の経営をする一方で「企業理念」「倫理規定」、「信条」を掲げる会社は少なくありませんが、実際には個人の精神状態任せのまま数値重視に陥って、お客様を裏切っている会社が多いのです。

本当に「何を大切にするのか優先順位を定めて、その基準に従って展開していく経営」「企業理念」であり、「倫理規定」、「信条」を大事にする会社は、それを大々的に宣伝に使いません。お客様が肌で感じていただけば分かることとして内部の努力に留めていて、お客が口コミで広げているのが実際の姿です。





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