且緩々(しゃかんかん)
には、「落ち着きなさい。慌てず、焦らず、ゆっくりと」というような意味があります。
弟子が師匠に矢継ぎ早に質問するので、師匠がたしなめる意味で使われた言葉です。
少しでも早く良い結果をだしたいと焦るのは心情として理解できますが、物事を早く片付けてしまおうと、つい気持ちが先走っていたずらに空回りしていることがあります。
冷静に考えると焦る必要もない場合が少なくありません。変わりたい、変わりたいと気持ちだけが先走り、思うような結果が出ないと諦めているといようなことはありませんか?
そんなとき「且緩々」と呟いてみてください。まだ準備ができていないことに気がつけば、そのときがチャンスなのです。
【マイ・プロジェクトを始める前に】
誰にしても、自分を変える必要があっても、簡単にはできないのものです。
もし何らかの事情から、自分を変えたいと思ったときのために、自分を変えるのがなぜ難しいのか、どうすればいいのか、そのメカニズムを考えてみましょう。予め知っておくと役に立つと思います。
【自分を変えるための最初の関門】
落ち着かない気分は、心地のよいものではありません。
心が乱れるのは自分の内側か自分の外側の世界に何か問題があるからです。
こういう場合には対策が必要ですが、人間にはできることとできないことがあります。
自分自身のことは自分にできても、自分の外側、つまり他者、状況などは自分にはできません。
変化を嫌う人は、他者、状況を変えようとします。また変わる必要が解っていても、Yes,But,If……..「その通り、しかし、もし」からなる構文、つまり「なるほど、その通りです。でも○○○○○なので、それは出来ないですね。もし、状況が変わればやりたいですが」というようにを使って否定します。変化を嫌うからです。
それにしてもなぜ変わりたくないのでしょう?
人に頼ったり、弱さを見せると嫌な顔をされる環境で育ったことに原因があるのかも知れません。そのような人にとって最も都合がいいのは状況が変わってくれることです。状況をコントロールしようとします。しかし状況を変えることは誰にとっても無理な相談です。むしろ状況をコントロールしょうとするほど状態は悪くなるものです。
【PDCAの習慣こそ変化を怖れない体質】
状況のコントロールに熱心でいると、失敗はいつも恥であり恐怖でしかなく、解決の扉というもうひとつの側面であることに気がつきません。これではPDCAを使う機会を放棄しているのと同じです。
逆に<自分を変える>ことに集中していると、自然にPDCAを使わざるを得なくなります。行動した後に何が起こったかを見て、どこに間違いがあったか、どこを直せばいいのか、その結果を再度実行してみる。あきらめない限り失敗はなく、やがて成功にたどり着きます。
PDCAの習慣こそ変化を怖れない体質の第一歩です。
【引き裂かれた意識がストレスになる】
こうした考え方も状況を変えることしか頭にないと「そんなにうまくいくはずがない」と否定的になります。
いつも考えてばかりの習慣が身についていて行動しないから解らなくなってしまいます。いつも考えてばかりいるのは、弱さがバレルのが極端にイヤだからです。
人間は相反する思考あるいは感情を持っていると、引き裂かれた状態と同じで身動きできなくなります。
「何かがおかしい」と感じるとき、実際に「何かがおかしい」ものです。
その認識が変化を起こす最初の段階ですが、やがて本能的に次の段階に進み「問題など存在しない」という否認の段階に進んでしまうとそこで行き止りになります。
鈍い人はそこで止まってしまうものですが、敏感な人は「おかしい」「おかしくない」の相反する認識が交互に現れてストレスになります。
【潜在意識という危険】
潜在意識のほとんどは、顕在意識を妨害するものなのです。
自分を変えるためには、第二段階の認識をすることです。そしてPDCAを回すのが良いのです。いまこの瞬間に集中するようにするといい。
もちろん大変ですが、<時間管理(タイムハック)>つまり集中する時間を正しく使えば集中の効果を得ることが可能になります。
自分を変えるためのスタートの機会になるのは、安心感を保つことができる適切な対策を見つけることに限ります。それが最上の策です。ほとんどの人はそれまで、怖くて自分を変えることはできないものですが、簡単に発見できるものではありません。
自分に合った効果的な方法を発見することが必要なのです。
その発見は何度もPDCAを回してみないとできないものです。