「責任と義務」は組織の背骨ですが、責任が数値目標を達成することにあるなら、義務とは何でしょう?義務とは予め定められた規定と命令を果たすことです。明らかに任務が違うことは、職能の違いを意味しています。
責任はその名の通り「責任者」つまりスペシャリストが果たすことであり、義務は責任者でない人、スペシャリストでない人が果たす仕事なのです。スペシャリストでない人が果たす仕事とは、責任者から明確な命令のもとに果たすことで、明確な命令と、果たすべき能力の有無の確認がされた後のことです。この命令と能力の確認は責任者が果たす責任の種類なのです。
ところが、この責任を果たしていない責任者、果たせない責任が多いので、現場は混乱します。本人が命令を実行できるだけの能力があること、そのためには、事前に不足する能力の発見と、不足を充足する教育および評価が行われいていることが業務の効率を向上するためにも、人材を育成する上でも欠かせないのです。
もし、本人に命令を理解する能力がないとしたら、これは本人とその従業員を採用したものの責任です。しかし、それ以外の要素、能力不足の確認と充足する教育や命令の在り方は上司側の責任です。
さらにできなかった場合に、
- どのような作業ができなかったのか。
- できなかった原因として、どのような本人側の過失または怠慢があったのか。
- どうすべきだったのか。
- 同じミスを繰り返さないためには、今後どの部分をどう変えるべきか。
これらを上司が誘導して本人に確認させることが、上司が行う「反省」です。
これらがなく、本人の責任にするのは、重要な責任回避なのです。この責任回避が継続的に行われた場合、企業は成長できなくなり、人材は枯渇します。
このような間違いはスペシャリストにある立場の人が意識すれば容易に修復でき、あるべき姿に調整できます。もったいのないことなので、是非正しい姿に戻してください。
もうひとつ重要な問題があります。義務を負った人は誰に対して果たす義務があるのか、認識できるようにすることです。これが曖昧だと責任制度は機能していないことを意味します。たとえば「あなたは誰に対して果たすべき義務があるのか」と尋ねた場合、「会社に対してあります」と返ってこないでしょうか?
これはとんでもない誤認なのです。正しくは「命令を下した上司」です。
このような混乱が組織に見られるようなら背骨の矯正を行ってください。つまりマネジメントを正しくするということです。
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