2013年3月1日金曜日

マネジメントの実際の中身



スペシャリストが、目標の達成という課題を実行する手段は、何でしょうか。
目標は上司からの命令で出てくることが多いものですが、それを表現するためには、それをさらに細分化したプログラムを作りいくつかの小さな課題に分解し、小さな目標を自分自身でたくさん立て、マイルストーンを使って消化していく必要があります。(建築業者が使う行程表をイメージすると分かりやすいと思います)

その目標を実現するには、いろいろな方法を考え出さねばならないわけですが、重要かつ肝心なことは、それぞれの方法について決まりを決めねばならないということです。

つまり、たいていの目標は達成するのに時間がかかるものだから、そのひねり出した方法、あるいはあらかじめ決められている方法を継続していかねばならなくなります。その継続するための方法が、「決まり」です。

ビジネスの上で追求される一つの数値あるいは状態は、数時間だけやれば実現してしまうというものではありません。何日間も何か月もかかるということは、それだけの期間は同じ作業を同じ方法で継続しなければならないということです。

ここに、マネジメントの実際の中身があり、その重要さを理解できていなければ間違ってもは、スペシャリストにしてはいけないし、なってはいけないのです。

マネジメントの実際の中身を決め、それを実行するのがマネジメントなのです。つまり、どのような方法について、どのような決まり、つまりルールを決めるかが仕事なのです。



それには次の5つの条件をクリアしなければなりません。

①調査と実験を繰り返す
②ルールを修正し続ける
③教え続ける
④ルールどおり行動する部下を評価する (他の要素での評価を優先しない)
⑤ルールどおりの作業の進め方を習慣にしてしまう。

このどれかひとつでも省略するとマネジメントは機能しなくなります。

ところが、この実際がどうなっているかというと、
①調査と実験を繰り返す→思いつきで
②ルールを修正しつづける→間違ったやり方を変えようとはせず、ルールを無視するようになる、
③教え続ける→一度示達しただけで終わり
④ルールどおり行動する部下を評価する→他の感情的な評価を優先させて、ルールどおりにやっている人を低くしか評価しない
⑤ルールどおりの作業の進め方を、習慣にしてしまう→その都度、考えてやらねばならなくしている

いずれも、マネジメントを自ら放棄し、マネジメントをできなくしてしまっているケースが圧倒的に多いのです。なぜそんなことになるのか、その最大の原因は継続・維持という最も重要な原理を無視しているからです。その理由に調査と実験を繰り返さず、個人の思いつきで取りかかっているという無謀があるからです。つまり元々信用できていないことを本気でやれる状態ではないのです。

同時に、ルールは少しずつでも修正されていくことによってのみ有効であって、よ
りよくなっていくものです。これは一見すると継続の原理と矛盾するようですが、実務上はそうではありません。実務に当たっている方なら実感できるはずです。
少しずつ変えるのであって、大勢はそのまま継続になるからです。しかもむやみに追加するのでなく、追加と削除を同時に行うという本当の意味での変更なのです。


ところがここでも変更は無責任だというわけのわからない意見が出てきます。結果が芳しくなくても変更しないほうが無責任なのは良識のある者なら理解できるはずです。

しかし大事なことは習慣づけであり、昔からこれを躾と言い、これをもって社風、企業文化と表現してきたのです。社風とはムードではなく、共通した反応の仕方のことなのです。それを「その会社らしい」とムード的な表現をしているだけで、実際には科学的な実験と観察、習慣化によって導き出した決まりのことなのです。



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